KDDI研究所(本社:埼玉県ふじみ野市大原2-1-15、中島康之所長)は、サーバやスマートフォン、IoTにおける個人情報などの重要なデータを安全に保護するソフトウェア技術を開発、実用化に成功した。暗号化に用いた鍵データをメモリ内で安全に保護する方式の実用化は世界初。
サイバー攻撃による個人情報漏えいが多発するなか、一般的なセキュリティ対策ではストレージ部分のデータには暗号化対策がなされるが、暗号化で用いた鍵データを格納するメモリ内のデータは十分なセキュリティ対策が取られていない。メモリへのサイバー攻撃によって鍵データが読み取られて情報漏えいにつながるケースが増えている。
また、クラウドサービスの拡大やIoTの普及にともなってネットワーク上の個人情報の流通が増えている。
今回実用化した技術は、同研究所が開発した高速ストリーム暗号を応用し、メモリ内のデータを安全に保護するソフトウェア技術。同研究所の暗号化技術とソフトウェア保護技術を組み合わせ、暗号化に用いた鍵データをメモリ内に分散してダミーを生成。正規の利用者のみが正しく読み取れるようにしたことで強固なセキュリティを実現している。
従来方式と比べて約10倍の高速処理を実現。数キロバイトの軽量なソフトウェアで実装できるため、高い処理能力を持たないデバイスでも十分な機能を発揮する。
同技術は、すでにauショップ店頭に設置されている「au wallet ウェルカムガチャ!」の専用端末で顧客情報の認証に使われている。