秋の魚「サンマ」がおいしい季節になった。魚をおいしく食べさせる技術は、日本が文句なしの世界一。最近は、世界中で「日本食」がブームとなり、「魚料理」もメジャーになってきたが、インドで「魚料理」はダメ。「魚は極めて貧しい食べ物である」と思うインド人が大半である。インドの8割以上はヒンズー教徒。牛肉は絶対に食べない。
先月末、首都ニューデリーに近い村で、「牛肉を食べた」とうわさされた男性が、厳格なヒンズー教徒とみられる若者集団に暴行を受け、死亡する事件が起きた。
最近インドでは、ベジタリアン(菜食)が増加しており、南インドでは人口の50%に迫っている。日本人が大好きな「カレー」の本場はインドだが、「食の価値観」が日本と最も違う国はインドである。
今回から数回にわたり「異国インドにズームイン」を連載するつもりである。
高木俊郎(たかぎ・としお)
株式会社アルファTKG社長。1953年長野市生まれ。
2014年3月まで株式会社アマダ専務取締役。電気通信大学時代からアジアを中心に海外を訪問して見聞を広め、77年にアマダ入社後も海外販売本部長や欧米の海外子会社の社長を務めながら、グローバルな観点から日本および世界の製造業を見てきた。