日立産機システムは、日立製作所、日立ケーイーシステムズと共同で日本ロボット学会の第20回実用化技術賞を受賞した。受賞タイトルは「地図作成・位置同定用コンポーネントICHIDASの開発と物流支援ロボットLapiへの適用」。
受賞したICHIDASは、位置精度50ミリ以内、姿勢精度3度以内という高精度の位置認識を実現しつつ、測定周期25msという高速な出力が可能で、自律移動ロボットなどの制御に利用できる。これまでに同技術は日立グループ内の生産現場で稼働する物流支援ロボットLapiに適用され、稼働時間は2015年9月時点で延べ2万時間を超えている。
従来、AGV(無人搬送車)に代表される物流支援ロボットは、走行経路にはりつけた磁気テープを読み込むタイプが主流。現場のレイアウト変更への対応が困難で、定期的なメンテナンスも必要だったが、同社の技術を活用することで現場の現在の状態に適した走行経路の設定がフレキシブルに可能になる。
本システムには北陽電機製レーザ測域センサを搭載。台車などにシステムを載せ、測定エリアを走行することで環境測定を実施、データを活用し地図を合成することで、位置を同定する。知能型物流支援ロボットLapiとの組み合わせで、障害物があっても通路を見つけての自動走行、台車を見つけての自動牽引(けんいん)などが実現できる。