IoT、インダストリー4.0など世界各国で取り組みが進むなか、事業規模を問わず製造業やサービス業、医療、農業など、あらゆる分野の企業が参画し、IoTの利活用を進める民間主導の新たな組織「IoT推進コンソーシアム」(村井純会長)が発足した。経済産業省と総務省がタッグを組んで同組織をサポート。750社を超える企業が参加を表明し、オールジャパンのIoT組織として大きな期待が寄せられている。
IoT推進コンソーシアムは23日、設立総会を東京港区の帝国ホテル東京で開催。800人以上が参加し、盛大にスタートを切った。
会長に村井純氏(慶應義塾大学環境情報学部.教授)、副会長に鵜浦博夫氏(日本電信電話代表取締役社長)と中西宏明氏(日立製作所執行役会長兼CEO)が就任し、運営委員として15人を選出した。
設立にあたり村井会長は「日本は技術と機器、サービスの信頼性が高く、IoTの分野で日本に期待する声は多く、当コンソーシアムはこうした背景のもと誕生した。オールジャパンの総力を挙げて、すべての領域に広げていきたい」と話した。
総会には総務省から高市早苗総務大臣、経済産業省から林幹雄経済産業大臣が出席。
高市総務大臣は「アベノミクスの第2ステージではIoTがカギを握る。IoT推進コンソーシアムはオールジャパンでIoTを進める最前線。年度内に社会の隅々までIoTのアイデアや知見が行き渡ることを期待している」と話し、林経済産業大臣は「IoTやビッグデータ、人工知能によって産業構造が変わろうとしている。総務省、経済産業省、文部科学省など一緒になり、全力で取り組んでいく」とし、両大臣ともに省庁の枠組みを超えた協力を約束した。
同コンソーシアムは、IoT、ビッグデータ、人工知能時代に対応し、企業や業種の枠を超えて産官学でIoTの利活用を促進するために民間主導の組織として設立。大企業、中小企業、ベンチャー企業、外資系企業、研究機関、自治体など、あらゆる分野から会員を受け付け、IoTを活用した新たなビジネスモデルの創出を推進していくとしている。
これからの活動は各ワーキンググループを中心とした活動を予定している。ネットワークなど関連技術の開.実証、標準化といった技術関係は「技術開発WG(スマートIoT推進フォーラム)」、ビジネスモデルの創出や環境整備は「先進的モデル事業推進WG(IoT推進ラボ)」が担当。各業界や業種といった専門分野は専門WGが担当する。
23日時点での参加企業は750.団体。IoT技術や製品を提供する側が中心で、今後は利用する側の参加が期待されている。