2015年度の重電機器の生産額は、4兆円超えが見込まれている。国内市場の縮小や、欧州、中国の景気減退などが懸念されるなか、汎用インバータやサーボモータ、PLCなど、産業用汎用電気機器は昨年を上回る堅調さで推移している。
日本電機工業会(JEMA)が発表した重電機器における産業用汎用電気機器の出荷実績によると、今年4~8月までの5カ月間の累計出荷額は3378億4600万円で、前年比3.1%増と順調に推移している。
機器別で見ると、汎用インバータが8カ月連続で前年同月比を超え、国内・輸出ともに好調を維持。国内が同1.2%増の169億9800万円、海外は2桁の伸びとなる同14.2%増の132億5700万円。
サーボモータ(アンプを含む)は、自動車やスマートフォンの需要拡大を背景に堅調で、国内が同4.6%増の456億9000万円、海外が同4.6増%の267億8000万円となった。ただ、7月からアジア向けの輸出が減少傾向に入り、7月に輸出が、8月には国内・輸出ともに前年比割れとなっている。
プログラマブルコントローラ(PLC)は、国内・海外ともに堅調。電子部品向け、液晶製造装置向けが国内・海外ともに増加し、8月までの23カ月連続で前年同期比超えを果たしている。
低圧遮断器は、海外は堅調を維持しているが、国内の建築着工が弱含みなことから住宅向けが全体を押し下げている。4月から4カ月連続で前年比割れとなっている。
電磁開閉器はほぼ前年並みで推移。標準変圧器(2000kVA以下)は、5月度に前年割れがあったが、国内の太陽光発電用受電設備向けを主体に堅調を維持し、昨年6月から好調を維持している。
直近の8月の産業用汎用電気機器の出荷実績は、同1.0%減の626億9100万円と26カ月ぶりに前年同月を下回ったが、国内は更新需要を中心とした設備投資を背景に堅調を維持。輸出はサーボモータの減少が大きく響いた。
JEMAでは、15年度の重電機器の国内生産を4兆284億円と見込み、そのうち産業用汎用電気機器は14年度比6.1%増の1兆5882億円を予測している。