電気制御機器の2015年度上期(4~9月)の出荷額が、前年同期比約140億円減少し、3266億円(前年同期比95.9%)となった。輸出は102.8%の1366億円とプラスになったものの、国内が91.4%の1901億円と落ち込み、前年同期を下回った。今年度、過去最高の7000億円台乗せの見通し達成へ、下期の更なる上乗せが必要になってくる。
日本電気制御機器工業会(NECA)がまとめた15年度上期の電気制御機器の出荷統計によると、上期の出荷額は当初の見通しから約214億円不足した。不足額は国内199億円、輸出15億円。
また、第2四半期(7~9月)だけでは前年同期比94.9%と、上期伸び率を1下回っている。
5大品目別では、操作用スイッチ(100.9%)、制御用リレー(101.3%)、PLC/FAシステム機器が約100.1%と前年同期プラスになっているが、逆に検出用スイッチ93.2%、制御用専用機器82.8%とマイナスになっており、品目での差が出ている。第2四半期では、制御用リレーが102.6%と堅調拡大を見せたほかは、すべてマイナスとなっている。
第2四半期の仕向け地別輸出は、欧州、北米、アジア・太平洋とも前年同期を上回っており、北米は12四半期期連続、アジア・太平洋は14四半期連続でプラスを維持している。アジア・太平洋は過去2番目の高い出荷額となっているが、このうち中国は2四半期連続で100%を切っている。
電気制御機器の需要環境は、スマートフォン関連向けの内蔵部品が堅調で推移しているのに対し、生産機械の需要が減少を始めている。また、PV(太陽光発電)システム関連の需要も大幅に減少し、影響を受けている。輸出も自動車関連の設備投資が継続していることや、人件費上昇に伴う、自動化・省力化投資が底堅く推移しているものと見られる。
NECAでは、今年度の出荷額を、14年度実績6732億円を268億円上回る7000億円と2年連続過去最高出荷額更新を目指している。上期出荷額が3266億円となったことで、下期は3734億円を目指すことになる。
11月以降、販売キャンペーンなどを計画しているメーカーも多く、また12月にはFA業界最大の展示会「システムコントロールフェア」が開催されるなど、下期に向けた市場深耕策も活発化することから、見通し達成への期待も高まっている。