チノーは、小形・高精度・高速応答の放射温度計「IR-CZQW」を10月21日より発売した。
放射温度計は非接触で物体の温度を測定するために多く用いられるが、今回三つの測定波長を用いたことで、350℃からの2色温度測定が可能で、また測定対象に合わせて測定方式の2色/単色切り替えができるなど従来品「IR-CZシリーズ」の適用範囲をさらに広げている。
新設計の光学系の採用、3波長同時取り込み、常時ゲイン監視・高速切り替えなどの新技術、周囲温度補償の新アルゴリズムを搭載することで、2色温度測定での光路障害の影響を低減。データ更新周期の高速化で2~15msという応答性アップも実現。0.3℃と高い分解能も実現し、放射温度計としての基本特性を大幅に向上させている。
主な対象市場は、半導体製造工程におけるプロセスの管理や、炉内被加熱物の温度測定。さらにさまざまな研究開発用途の温度測定にも有効。新製品の追加により、既発売の高温高精度2色形放射温度計IR-CZQHと合わせて年間500台の受注を目標としている。
同社は経営理念に「特長・信頼・連帯」を軸に計測・制御・監視技術の限界に挑戦することを掲げ、記録計、調節計、温度センサー、放射温度計などの機器を中心に、ソリューション提案を強化しており、今回の放射温度計のラインアップ強化により提案の幅を広げる。