三菱電機は、形彫放電加工機の新シリーズとして、電気電子部品の金型の加工に適した「EA8PS」を発売した。世界市場向けのハイグレードモデルとして名古屋製作所で、中国市場向けは中国の三菱電機大連機器有限公司で生産する。
同製品は、適応制御「IDPM」搭載により銅電極加工にも適用可能。ジャンプ制御「SS JUMP」で毎分25メートルの高速移動を1.6Gの降下速度で実現し、加工速度を最大40%向上。高剛性構造体と高精度仕様により高速、高精度な形彫放電加工を実現している。
さらに新開発の微細仕上げ電源「FP-PS電源」搭載により、面あらさは業界最小クラスの算術平均あらさ)0.05マイクロメートル(NP2回路使用時)を実現。光沢仕上げ機能「LLTX」で金型の磨き作業の削減と離型性を向上。最大で毎分4.5グラム(グラファイト電極-鋼材加工)の高速荒加工も可能。難削材加工回路を標準搭載し、金型加工以外にも工具の部品加工など幅広い用途へ対応できるようになっている。
また、独自技術「サーマルバスター」を標準搭載し、環境温度変化の「見える化モニター」により、環境温度を可視化。高精度加工への障壁となる熱変位を最小限に抑制している。自社製NC制御機器により独自のサーボ制御技術と高精度駆動部品を搭載することでプラスマイナス3マイクロメートルのピッチ加工精度を保証している。
機械寸法は幅1530ミリ×奥行き2000ミリ×高さ2140ミリ。システム総質量は2000キログラム。軸移動量はX300ミリ×Y250ミリ×Z250ミリ。
標準価格は1600万円。