第4回鉄道技術展、橋梁・トンネル技術展 世界が注目 鉄道インフラ一堂に

11月11日(水)から13日(金)の3日間、幕張メッセで「第4回鉄道技術展」と「橋梁・トンネル技術展」(主催=いずれもフジサンケイビジネスアイ)が開催される。前回2013年は328社・団体620小間で行われ、1万9221人が来場した。今回は、前回の出展社数を上回った鉄道技術展に加え、初開催の橋梁・トンネル技術展により、前回以上の盛り上がりを見せた。

「第4回鉄道技術展」は、世界が注目する鉄道インフラに関する専門展示会。日本が誇る鉄道技術を紹介し、またドイツのほか海外からも展示参加があり、国際色豊かな展示会となった。

出展は前回2013年を上回る450社・団体の918小間が出展した。「交通・鉄道システムとその横断的技術」として、交通計画やまちづくり、スマートシティ、ITS、ICT、高速鉄道、貨物輸送、物流、コンテナ、IT、都市交通(メトロ、モノレール、AGT、LRT、BRTほか)、防災・安全管理技術、快適性、インターオペラビリティ、省エネルギー技術、コンサルタント、シミュレーション技術、ユニバーサルデザイン関連企業が出展。

さらに「土木・インフラ技術・施設」として、軌道構造(PCまくらぎ、締結装置)、線路(レール、線路構造、分岐、配線、連動装置)、橋梁、トンネル(掘削技術、工法)、保線技術(保線機械、機材)、建設技術、軌道検測(軌道状態監視技術、軌道検測車)、土木構造(構造、土留め、築堤)、防災対策(地震、降雨、風雪、気象予報)、駅(駅舎構造、駅建築、デザイン)、プラットホーム(構造、ホーム柵)、跨線橋、車両基地、車両工場がブースを構えた。

「電力・輸送・運行管理」として、電力設備、変電設備、回生変電所、饋電システム、架線構造、架線検測、列車群制御、輸送計画、運行管理システム、通信・信号技術(CBTC、ATACS、無線、電子閉塞)、列車保安技術(ATC、ATS、ATO、TASC)。

「車両とインテリア」分野として、車体構造(材料、構体設計、配電、デザイン、塗装、洗浄)、走り装置(台車、配管、潤滑剤、駆動装置、連結器、緩衝装置)、ドア、窓、幌(ドアエンジン、構造、ガラス素材)、車内情報伝送(TIMS、ATI、イーサネット、ケーブル、コネクタ、ディスプレイ)、プロパルジョン(制御装置、補助電源装置、半導体)、ディーゼル機関、トランスミッション、バイモード、蓄電池、キャパシタ、ブレーキ装置(空気供給、ディスク、材料、制輪子、回生ブレーキ)、アコモデーション(床、荷棚、室内デザイン、材料、車内照明、不燃性素材)、座席(構造、材料、デザイン)、車内設備(トイレ、洗面施設、ユニバーサルデザイン、喫煙対策、空調)、車両試験(各種測定装置、試験装置、各種検測車)、運転室・乗務員室、安全対策、メンテナンス技術、快適性(乗り心地、車内環境、騒音、振動)分野が出展。

そのほか「旅客サービス」として、駅(旅客対応設備、出改札装置、照明、券売機)、駅ビル、店舗、ビル構造・工法、ユニバーサルデザイン、バリアフリー、自動案内、サイン、メディア・アド、供食なども展示された。

■橋梁・トンネル技術展 長寿命化支える保全
「橋梁・トンネル技術展」は、今回が初開催。現在、新技術が求められている社会インフラ構造物の長寿命化を支える点検や評価、維持管理、補修、補強などの保全技術を紹介した。

来場者は、鉄道事業会社や鉄道車両メーカー、エンジニアリング・建設、鉄道技術メーカー・サプライヤー、商社、業界団体・機関、学術・研究・開発、官公庁、コンサルタントなど。

橋梁・トンネル技術展の出展は59社・団体の97小間。社会インフラ構造物に関する予防保全や老朽化対策、維持管理、補強に関するシステム、工法、機器、材料分野を中心に、ネットワークモニタリングシステムと検査機器、構造物の劣化・老朽化対策、補修・更新技術、材料、コンサルタントおよび各種補強や補修工法、レンタル機器や機材、橋梁・トンネル建設技術などが出品された。

来場者は、橋梁・トンネル・道路・空港・ダム・ビル等の維持管理者や官公庁、地方自治体、鉄道事業者、道路管理事業者、土木・建設、コンサルタントなど。
■JR東日本 小縣副会長が基調講演 セミナーも多彩に
「第4回鉄道技術展」の併催事業では、東日本旅客鉄道の小縣方樹取締役副会長の基調講演など、多彩なテーマでセミナーが行われた。

11日の基調講演では、15時40分~ソウル特別市都市鉄道公社のChoi Jung-Kyun常務取締役が「ソウル特別市都市鉄道公社(SMRT)における安全マネジメントシステム」をテーマに話し、16時20分~は東日本旅客鉄道の小縣方樹取締役副会長による「鉄道におけるマネジメントと技術のオープンイノベーション・オープングローバリゼーション」が行われた。

12日の基調講演は、ブラジル鉄道サプライヤ協会Vicent Abate会長による「ブラジル鉄道技術産業による鉄道車両のイノベーション」、インド工科大学のSubhransu Roy教授の「インド工科大学鉄道研究所の活動紹介」が行われた。

特別講演は11日12時50分~「日欧の鉄道相互展開」をテーマに、「省エネルギーを中心とした鉄道技術の変遷と世界展開」(三菱電機菊池高弘常務執行役
社会システム事業本部長)、「日立鉄道事業のグローバル展開」(日立製作所正井健太郎理事 交通システム社社長)、「将来の車輪管理-新しい車輪管理測定技術」(ネクストセンス フィリップ・サンドヒーゲルセールスマネージャー)、「History and future of communication based signaling for efficient mass transit operation」(Head of Business Segment Mass Transit Rail Automation、DR Gerd Scheller)。

13日10時30分~は「銀河鉄道999」の大ヒットで知られる漫画家の松本零士氏を迎え、「鉄道と科学技術に魅せられて~未来へ続く銀河鉄道999」をテーマに講演した。

このほか各種セミナーが連日行われた。

「橋梁・トンネル技術展」の基調講演では11日に「社会資本の老朽化対策について」をテーマに国土交通省総合政策局小林靖参事官(社会資本整備)が講演。高度成長期以降に整備したインフラが今後、一斉に老朽化する。厳しい財政状況の中、人口減少や少子高齢化の進む日本において、将来にわたってインフラの機能を持続的に発揮していくための国・地方をあげての取り組みの全体像について解説した。

特別講演は、「社会インフラの経年劣化の現状と課題」(東京都市大学三木千壽学長)、「道路トンネルの維持管理技術の動向」(土木研究所つくば中央研究所道路技術研究グループ砂金伸治上席研究員)、「鉄道構造物の維持管理の現状と最近の技術開発」(鉄道総合技術研究所構造物技術研究部谷村裕部長)、「高速道路の維持管理(橋梁、トンネル)」(東日本高速道路管理事業本部松坂敏博管理事業計画課長兼SMH推進チームリーダー)、「地下鉄の維持管理(トンネル、橋梁)」(東京地下鉄鉄道本部工務部小西真治土木担当部長)、「ICTを用いたインフラの戦略的な維持管理」(東京大学大学院 情報学環石川雄章特任教授)。

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