横河電機は、ネットワークベース生産システム「STARDOM(スターダム)」の機能強化版を2016年春に発売する。
“より速く、より強く、よりスマートに”をコンセプトに、CPUモジュールの高速化と耐環境性の強化、エンジニアリングツールの機能を高めた。
価格は、自律型コントローラ「FCN」とSCADAソフトウエア「VDS」で50万円から。エンジニアリングツール「ロジックデザイナ」が15万円から。16年度3500台、17年度4000台の販売を計画。
STARDOMは、分散形制御システム(DCS)の信頼性と、PLC(プログラマブルコントローラ)計装の汎用(はんよう)性・経済性を両立させたシステム。
今回、自律型コントローラ「FCN」向けに、従来製品比5倍に相当する制御演算処理能力を実現し、ギガビット・イーサネットに対応した新しいCPUモジュールを発売。これにより、コンプレッサやタービン、大型風力発電など、高速で高信頼な制御機能が必要な装置への導入はもちろん、処理能力が向上したことで、より高度で複雑なアプリケーションに導入しても安定した制御を実現できる。
また、上位のシステムとの二重化通信を確保しながら、Ethernetをベースとしたさまざまな通信規格のネットワークに対応するため、CPUモジュールにEthernetポート4つを内蔵したモデルをラインアップした。
さらに、過酷な設置環境でも安定した制御を行えるようにするため、新
CPUモジュールの温度条件を従来の0~55℃対応タイプに加え、マイナス20℃~70℃対応タイプもラインアップ。同時に、ファイルへのアクセス中の不意な電源断においてもシステムに影響を与えない、強固なファイルシステムを採用している。
加えて、経験の浅い技術者でも、現場で改造・保守作業を容易かつ正確に実行できるように、改造時の作業ミスを削減するエンジニアリングツール「ロジックデザイナ」にCPUモジュール内のプログラムとPC上のプログラムを照合する機能を追加した。
そのほか、PCと接続しなくてもSDカードを活用して、システムのアップデートや保守作業に必要なシステム情報を取得できる。
なお、同製品は12月2日から開催の「計測展TOKYO」の同社ブースに展示する。