本多通信工業(佐谷紳一郎社長)は、車載用途向けに直径12ミリの丸穴にも通る業界最小サイズと業界最高水準のIP69Kの防水性能を実現した中継コネクタ「TATシリーズ」を開発、11月からサンプル出荷を開始した。
2016年3月から量産を開始し、18年には月産50万個を計画している。
TATシリーズは、自動車のADAS(先進運転支援システム)に最適な製品として、小型、防水に加え、全面シールド構造の継承により、車載ノイズ規格CISPR25をクリアし、USB・LVDSなどのデジタル信号の安定した高速伝送が可能となっている。
車載用途向けコネクタは、アナログカメラやカーナビなど「見る」から、運転を支援するADASの「測る」へと進化しており、この用途ではセンシングカメラ、ミリ波・レーザー、車内LANといった高速デジタル・センシング・モジュールとつなぎ、ノイズに強い高速デジタル伝送が求められている。
同時にマイナス40℃~プラス
105℃と高温・高圧洗車にも耐え、車の省スペース・軽量化につながる仕様も必要。TATシリーズは、標準タイプのプラグコネクタとレセプタクルコネクタ(標準タイプとクリップ取り付けタイプ)が完備。
同社では、ADASコネクタファミリーのバリエーションを今後も強化し、車載用コネクタの売り上げを14年度の45億円から、20年度には2倍強の100億円まで高める計画。