■注目は自動運転、AI、インダストリー4.0
組み込み技術とソリューションが集約された世界最大級の展示会&カンファレンス「Embedded Technology2015(ET2015)」と「IoT Technology2015」(主催=組込みシステム技術協会)が、11月18~20日の3日間、パシフィコ横浜で開催された。すべての人・モノ・コトがつながるIoT時代を迎えた今、組み込み技術の重要性と将来への期待はますます高まっている。
進化する組み込みの先進技術が集まるEmbedded Technology。“つながる”技術の最先端を網羅するIoT Technology。これからの成長分野を支えていく重要な技術にフォーカスしたET展と新設のIoT Technology展が同時開催されることで、自動車、医療、インフラなど、あらゆる産業で求められている双方の最先端テクノロジーとソリューションを提案する場として、シナジー効果の創出が期待された。ET展は来年で30年の節目を迎え、IoT Technology展は今年初開催となった。
展示の見どころは幅広い分野の出展者・製品・ソリューションの情報発信。本格的な「IoT時代」を迎え、新しいビジネスビジョンが続々と誕生している。新設の「IoT Technology」では、成長分野を支える「ET展」との同時開催により、今までET展に出展したことのない、幅広い出展者の製品が展示され、両展示会の融合による最新ソリューションと、ビジネス情報が発信された。
さらに、自動運転、人工知能、Industrie4.0などの豊富なカンファレンスプログラムにも注目。各業界をけん引する有識者による幅広い分野のカンファレンスが満載。最新の技術動向に敏感な来場者が興味を持つホットで多彩なテーマが選定された。
基調講演として4講演が予定されており、日本自動車工業会・川名氏による「自動運転を見据えた車載制御システムの安全基盤技術動向」、トヨタ自動車・葛巻氏による「交通事故死傷者ゼロに向けた自動運転・通信技術」、日立製作所・矢野氏による「ビッグデータのボトルネックを探せIoTでもうける、唯一の原則」、ドコモ・ヘルスケア・竹林氏による「エンジニアの目を輝かせる新しい価値創造の仕組み~IoTで何を創り出すか~」が披露された。
特別講演も7講演を予定。IoT、ドローン、第四次産業革命、自動車の衝突回避システムといった注目を集めるテーマで各分野の第一人者が登壇した。
■出展企業対象にアワード表彰も
また、19日(木)午後4時30分から展示会場内メーンステージにて、ET/IoT Technologyアワードの表彰も行われた。同アワードは、出展企業を対象に、製品・技術・ソリューション・活動に対し優秀賞を選出、表彰するイベント。受賞企業(小間位置)と受賞内容は以下の通り。
【Embedded Technology優秀賞】2社
● NEC(D-40)
名称:タグやシリアル加工なしで製品の個体識別を実現する「物体指紋認証技術」
キャッチコピー:大量生産品を表面に自然発生する微細な紋様(物体指紋)で個々に識別
●三菱電機エンジニアリング(E-10)
名称:出力1kW
効率95%の6・78MHz高周波電源技術
キャッチコピー:世界トップレベルの「高効率・小型化」を可能とする高周波電源技術
【IoT Technology優秀賞】2社
●NEC通信システム(D-40)
名称:オンデマンド型無線ネットワーク
キャッチコピー:消費電力1/100以下で常時待受可能なオンデマンド型無線ネットワーク
●ラピスセミコンダクタ(B-16)
名称:土壌環境センサ
キャッチコピー:世界初!
IoT土壌環境センサで地中のデジタル化を実現
【特別賞】2社
●インテル(A-06)
名称:IoTベンチャーズ
キャッチコピー:初期投資ゼロ、屋内施設向けIoTソリューション・パッケージ
●筑波大学(UI-11)
名称:高性能ストリームデータ圧縮技術
キャッチコピー:ストリームを高速にコンパクトに。未来のロスレス圧縮のカタチ
そのほか、これからの組み込みシステム業界をけん引する「組み込みIoT人材」を発掘・育成することを目指して開催される「組み込みIoTハッカソン」、軽食やアルコール類を含めたドリンクが用意され、来場したすべての人が、気軽に出展者とコミュニケーションをとりながら、有意義な時間を過ごすことができる「ET/IoT Technologyフェスタ」、若手組み込み技術者教育をテーマに、UMLなどのモデリング手法で設計したソフトウエアを自律型のライントレース・ロボットに実装して走行内容を競うコンテスト「ETロボコン2015」にも注目が集まりそうだ。