豊橋技術科学大学とアンリツは共同で「ワイヤレス伝送路のkQ測定システム」を開発した。ワイヤレス電力伝送は、家電機器や電気自動車への非接触給電はもちろん、製造現場においてもAGV(自動搬送台車)への給電、回転体への給電などで応用が期待されている。また、ワイヤレス電力伝送システムの開発では伝送効率の検証が必須となっており、この指標として「結合係数k」とQファクタ(Quality Factor)が重視され、このkとQの積がワイヤレス伝送路の本質的な設計指針として注目されている。
今回開発した測定システムは、豊橋技術科学大学未来ビークルシティリサーチセンター長大平孝教授が開発したワイヤレス電力伝送システムの本質的な設計指標であるkQ積の計算方法をアンリツがソフトウエア化し、同社のベクトル・ネットワーク・アナライザに標準搭載したもの。kQ積をリアルタイムに掃引し、表示できる。
これにより、「送受電間の位置を変化(走査)させて最適な伝送効率を求める」「構造・寸法の改善ポイントの早期発見」「最適な伝送周波数の構造パラメータ依存性のスピーディーな発見」などが可能になり、ワイヤレス電力伝送路のアンテナなどの試作および設計効率を大幅に改善できる。同社は「計測展2015」にも出展し、同システムも紹介する。