12月2日から4日までの3日間、「システムコントロールフェア2015」(主催=日本電機工業会、日本電気制御機器工業会)と「計測展2015TOKYO」(主催=日本電気計測器工業会)が東京ビッグサイトで同時開催された。インダストリー4.0、IoTの大波が日本を襲うなか、日本製造業の未来を占う一大イベントとなった。
■来場者7万人目標
SCFと計測展は西館を使って行われた。「オートメーションと計測の先端技術が集う」を統一コンセプトとし、前回13年から48%増となる来場者数7万人を目標とした。
18回目を迎えるSCFは、「技術がつながる、未来が拓ける。ものづくりイノベーション」をテーマに掲げ、最先端の制御システムやソフトウエア、コンポーネントを展示した。
計測展は「計測と制御で創る未来の地球」をテーマに、FA・PA用計測制御機器、環境計測機など計測・制御に関わるソリューションなど、新たな潮流である「第4次産業革命」を見据えた最新技術の展示を行った。
計測展の須原一郎実行委員長(アズビル)は「SCFと計測展の二つの展示会のつながる化。JEMAとNECA、JEMIMAの三つの工業会のつながる化、西館(SCF・計測展)と東館(国際ロボット展)のつながる化。2015年を締めくくるスマートマニュファクチュアリングの一大ムーブメントにしたい」と意気込みを語った。
■第4次産業革命のコンセプト展示
主催者企画では、特別展示「第4次産業革命-つながる化-」を実施。展示会場入り口付近にコンセプト展示ゾーンを設け、展示会の見どころ・最新情報をまとめて紹介。また、展示とプレゼンテーションステージにより、「第4次産業革命-つながる化-」の政策、日本・世界の動向、ものづくり・システムの歴史、将来像をわかりやすく解説した。
前回に続き、特別展示ゾーン「オープンネットワークゾーン」を設置。展示会が発信する新たな潮流「第4次産業革命-つながる化-」のもと、オートメーションを進化させる強力なツールとして、最新のオープンネットワーク機器・技術・サービスを集中展示して紹介した。また、特設プレゼンテーションステージでは参加各社の最新技術動向を発表した。
参加出展者は左記の通り(50音順)。eWON、HMSインダストリアルネットワークス、ODVA、Sercosアジア日本事務所、Softing・ガイロジック、ターク・ジャパン、日本AS-i協会、日本電機研究所、日本電機工業会(JEMA)、日本プロフィバス協会、日本モレックス、ハーティング、ヒルシャー・ジャパン、Motionnet協会、ユニテック、ルネサスエレクトロニクス、ワゴ・ジャパン。
海外パビリオンとして、アジアナンバーワンの産業展を目指し、グローバルで「情報を発信、交換、共有する場」を設けた。欧米・アジアからの大使館および関連団体が展示を行い、最新事情を紹介した。人と人が出会い、語り合い、共感し、「新たなビジネスチャンスを創造する場」。
西ホール中央のアトリウムには主催者ステージを設置。会期中、展示会のさまざまなイベント、出展者ブースの紹介を行う、情報発信基地となる。また、各界の第一線で活躍するゲストを招き、女性キャスターとの軽快な、楽しいトークショーが企画された。
アトリウムステージでは、全国各地の大学・高専研究室が、オートメーションおよび計測・制御に関する将来的技術・応用技術や、ものづくりに関するIoT活用技術などの動向について最先端の研究発表を展示。研究発表コンテストを実施し、特に優れた研究室を表彰した。
参加校は、久留米工業高等専門学校、津山工業高等専門学校、愛知工業大学、三重大学、新居浜工業高等専門学校、東京工業大学、長岡技術科学大学、電気通信大学、鶴岡工業高等専門学校、千葉大学、慶應義塾大学、神奈川工科大学、群馬工業高等専門学校(順不同)。
また学生向けイベントとして、業界ツアーと題して、業界研究の一助となるセミナー、ブース訪問のツアーを実施。
また初の試みとして、3日(木)午後4時~5時、展示会場内で「ハッピーアワー」を開催する。開催時間内限定で、参加出展者は出展ブースまたは特設会場において、来場者にビール、ワイン、ソフトドリンクなどを提供。
■キーパーソンが語る日本の製造業の未来
各展示会に出展される各社の最新製品も注目だが、今回の目玉は各社のキーパーソンがIoTやインダストリー4.0を語る各講演やセッション。
日立製作所副社長の齊藤裕氏による「現場と経営・社会をつなぐモノづくりの革新-日立が考える第4次産業革命-」のほか、日本GE専務執行役員の田中豊人氏「GEのインダストリアル・インターネット戦略」を開催。日本版インダストリー4.0を目指すIVI理事長、法政大学教授の西岡靖之氏らをパネリストに迎えたセッション「第4次産業革命で工場が変わる、社会が変わる」も行われる。このほか80の出展社セミナーを始め、合計119のセッションが行われた。