12月2日から5日まで東京ビッグサイトで行われた「国際ロボット展」では、安全柵がいらず、人と一緒に並んで作業ができる協働ロボットなど、新たな形態のロボットが各社から出品された。これまで導入に踏み切れなかった層に向けたロボットが登場し、より一層の普及が期待される。
安川電機は、小物部品の組み立てなどを想定した人間共存形ロボット「MOTOMAN-HC10」を出品。ロボットを直接手でつかんで教示を行うダイレクトティーチングにも対応し、ロボット操作に不慣れなユーザー層や、頻繁に作業内容や動作が変わる用途などに最適。
ファナックは、3月に発表した“緑のロボット”「CR35-iA」を展示。35キロ可搬の大型ロボットながら安全機能を完備し、工作機械へのワークの投入などのデモを行った。
川崎重工業は、双腕のスカラロボット「duAro(デュアロ)」を並べ、電子部品の組み立てや打鍵試験やタッチパネルの接触試験などアプリケーションを提案した。
セイコーエプソンは、自律型の双腕ロボットを参考出品。人が使う汎用的な道具をそのまま使って作業するデモを行った。デンソーウェーブは、高速・小型の新型ロボットによる複数台の協調制御をPRした。
ABBは、双腕ロボット「YuMi」を使ったピッキングをデモ。KUKAは、協働ロボット「LBR iiwa」に全方向自律移動ユニットを組み合わせた「KMR iiwa」を展示した。
ユニバーサルロボットは、ダイレクトティーチングなど誰でも簡単に使えることをアピールしていた。
また新たなプレイヤーも登場。住友重機械工業は、米Rethink Robotics社と国内独占販売契約を結んだアーム型協働ロボット「Sawyer」を出展。またライフロボティクスは、ピッキングに特化した協働ロボット「CORO(コロ)」を発表。
協働ロボットは、主要各社から製品がそろい、稼働中の実機に手をかざして止めるなどの安全機能を試したり、ダイレクトティーチングによって自分で教示作業を体験してもらうなど、実機に触れる機会を設けている企業が多かった。