▼人を動かそうとしたら欲求に訴えかけることが不可欠だ。理想的なのは、好意や良い感情によって前向きに取り組んでくれることだが、なかなかそういうわけにもいかないのが難しいところ。美味しいエサがぶらさがっていても、人間はなかなか釣られない。逆に危機感を煽ってみると案外効果的だったりする。特に横並び意識が強い日本人にとっては、他の国がやっている、皆やっているというアプローチが有効だという声も聞く
▼12月2日から東京ビッグサイトで開催されたシステムコントロールフェア2015・計測展TOKYO2015は、IoTやインダストリー4.0の追い風を受け、これまでにない盛り上がりを見せた。これらの取り組みではドイツやアメリカが先行し、日本の製造業者の心には、日本の将来と自分の未来に対しての懸念や心配が渦巻いている。新しい時代に対する楽しみや期待はもちろんあるが、少子高齢化や生産拠点の海外移転など、日本の製造業が大きな岐路を迎え、危機意識が多くの人の心を動かしたのは間違いない
▼きっかけは何にせよ、日本の多くの製造業者がIoTやインダストリー4.0に対して第一歩を踏み出したことは大きい。第4次産業革命と言われる通り、世界的なムーブメントであり、この流れが変わることはないだろう。あとは覚悟を決めて取り組むだけだ。新しいことを始める時はドキドキ、ワクワクする。IoTに関しても多くの人が期待や楽しみの気持ちを持ってチャレンジしてくれることを願うばかりだ。