オリンパスは、工業用内視鏡の新シリーズ「シリーズC」を6月に発売。同社はハイエンド機種のIPLEXを展開しているが、シリーズCはひと回り小型で扱いやすいベーシックなタイプで、「オリンパス」ブランドの高画質と高性能、使いやすさに定評がある。同社科学国内営業本部科学国内営業企画部 販売企画1グループ課長の池田昌史氏に聞いた。
–工業用内視鏡の市場について。
品質管理や設備の保守点検などで、工業用内視鏡の市場は拡大している。
検査工程では、トラブルの記録に加え、いまは『問題がなかった』という証拠のために検査記録を残すという形に変わってきている。工業用内視鏡を使い、見えない内部まで入りこんで観察してチェックしたという記録が顧客への信頼につながる。工業用内視鏡を使っていて良かったという声も多く、普及につながっている。
しかし、最近は数万円から購入できるローエンドのものが多く出回り、ユーザーの幅が広がっている。それにともない、さまざまな声が集まっている。例えば、観察対象がエンジンブロックや配管、工作機械など、重くて硬い金属でできたものがほとんどで、先端のスコープが接触して傷ついた、壊れたという話もあり、必ずしも満足して使っているケースばかりでもないようだ。
工業用内視鏡は工場などで使うフィールドツールであり、耐久性や信頼性が重要。当社は工業用内視鏡でも長い歴史と実績があり、そのあたりは安心して使うことができる。
–シリーズCの特徴は?
手ごろな価格で、小型・タフな高性能タイプというのが特徴だ。耐久性の面で言えば、スコープ部分はステンレスよりも硬いタングステン繊維を網状に編んで保護。擦れに強く、耐久性にも優れ、マシン油が付着しても支障はない。
また使い勝手に関しても簡易検査向けに特化し、軽くてシンプルにしている。本体は、操作部と液晶モニタ一体型の735グラムで、片手で持って操作できる。
画質は上位機種のIPLEXを引き継ぎ、明るく鮮明に観察できる。一言で言えば、手ごろな価格で、小型・タフな高性能の工業用内視鏡だ。シリーズCはハイエンド機種のIPLEXと差別化し、より小型で使いやすさを追求した。
–今後について。
工業用内視鏡の良さは、実際に見て使ってみればすぐに分かっていただけると思う。シリーズCは持ち運びにも便利で、訪問デモも行っている。工業用内視鏡を使ってみたい、内部を見てみたいものがある場合は、ぜひお気軽に声をかけて欲しい。