FA用オープンネットワークのCC-Link協会(CLPA)とPI (PROFIBUS& PROFINET International)は、イーサネットレベルのネットワークで相互の接続性強化に取り組んでいくことで合意した。相互接続の共同仕様書作成に向けて2016年1月からWG(ワーキンググループ)をスタートさせ、16年11月をめどに完成させる。CLPAは日本発のオープンネットワークとして国内、およびアジア市場で普及が進んでいる。一方、PIは欧州市場を中心にアジアでも影響力を増している。
しかし、インダストリー4.0や産業用IoT(IIoT)に対応する生産システムの実現に向けたユーザーの動向に対し、FA用オープンネットワーク団体としてその動きに注視してきた。
今回、両者が普及に取り組んでいる産業用イーサネットレベルのネットワークであるCC-Link IEとPROFINETが、接続時に意識することなく使用できるようなインターフェイスプロトコルを開発することで、双方向通信を実現しようというもの。
WGでは、「カプラー」と「リンク」という二つのゲートウェイ仕様書を作成する計画で、今後WGへの参加を希望する会社を募る。
日欧のFA用オープンネットワークを代表する両団体が相互接続性強化で合意したことは、他のFAネットワークへ影響を与えるのは必至で、さらにモーションレベル、IOレベルでの相互接続でも何らかの動きにつながることが予想される。
PIのカルステン・シュナイダー会長は「CLPAとの連携は、世界中の多くの産業に使用されているネットワークと強力なパートナーを組めたことを意味する」と語り、CLPAの中村直美事務局長は「両協会の組織力、膨大な接続製品数により、新たな市場開拓につながることを期待している」と述べている。