セイコーエプソンは11月19日、新小型6軸ロボット「Nシリーズ」を発表した。発売開始は2016年5月を予定している。
同社は、スカラロボットの領域で4年連続世界シェアナンバーワン(富士経済調べ)となるなど産業用ロボット市場をリードしている。新発売のNシリーズは、6軸ロボットにおいて世界初の折り畳み式新型アーム構造を採用。スカラロボットと同様の軌跡での動作もできる。
設置面積は縦横ともに600ミリメートルと、同社従来機種と比べ40%削減。人が作業するのに必要とされる広さで作業できる。そのため、従来は人が行っていた作業を代替した場合に、レイアウト変更などをすることなく、同等のスペースがあれば作業のロボット化が可能。同時に、重量も従来機種の3分の2と大幅な軽量化も達成している。
また、同シリーズは、アームを折り畳んだ時に肘が架台などに干渉せず、従来の6軸ロボットよりも周辺との干渉回避動作が減った結果、タクトタイムも約30%短縮。さらに調整、ティーチング(教示)時間を削減することで立ち上げ時間の短縮も実現している。
さらに、6軸でありながら、ショートカットモーションで多面方向へのアクセスが可能で、繰り返し精度はプラスマイナス20マイクロメートルを達成している。ロボティクスソリューションズ事業部長の福島米春常務は、「今後もエプソン独自のロボティクス技術を駆使した高性能産業用ロボットを通じて生産現場の自動化を進め、市場ニーズに応じた製品の投入や世界中の拠点による顧客サポートを強化し、トータルソリューションの提供により、“ものづくり革新”に貢献していく」としている。ターゲット市場は小型電子機器の製品組み立てや車載部品の組み立て、医療分野など。