日本電気計測器工業会(JEMIMA)は、2015~19年度の電気計測器の中期見通しを発表した。15年度は前年比8.1%増の5760億円で、年平均1.3%で成長を続け、19年度には6064億円に達する見込みだ。海外拠点売り上げも含めると、15年度は8012億円、19年度には8735億円になると予想している。
製品群別では、電圧・電流測定器やオシロスコープ、スペクトラムアナライザなど電気測定器は、15年度から年平均2.9%の成長を続け、19年度には1344億円になる見込み。5G通信や通信インフラの研究開発で通信機器関連の需要が見込めることと、自動運転や電気自動車など自動車関連、EMSやスマートグリッド開発投資でエネルギー関連、インフラ更新関連の需要が好材料。一方で、中国経済の減速や低価格化などが懸念材料として挙がっている。
DCSや流量計、温度計、調節計などPA計測制御機器は、14年度は老朽化対策に予算が回った官公需と、原子力設備向け需要が減少した民需が伸び悩み、前年からマイナス7.1%の2495億円だった。15年度からは同1.5%の伸び率で拡大を続け、19年度には2699億円になる見通し。
国内は環境対策やエネルギー回収向けの投資意欲が旺盛で、輸出案件では東南アジアやインド向けプラント設備への期待が大きい。
電力量計は、14年度に低圧計器で各電力会社のスマートメーター導入が増加し、前年度比74.6%増と大幅に増加。15年度、16年度と拡大が続き、17年度の951億円でピークを迎える。18年度、19年度に減少に転じ、全体としては減少傾向になる見込み。
大気汚染計測器や水質汚濁計測器、各種成分系など環境計測機は、同1.4%の成長率で拡大し、19年度には93億円になる見通し。国内は公害対策の進展から環境が改善されているため安定市場となっている。海外では、中国やインドなどアジア圏は、経済成長に伴う環境悪化が問題になっており、中期的には増加が期待されている。
また電気計測器全体の14年度実績は、20年開催の東京オリンピックに向けたインフラ整備などが立ち上がり、企業景況感が良好で設備投資意欲も増加していることから6000億円超を見込んでいたが、実績は横ばいの5327億円となった。