安全柵がいらず、人と並んで作業ができる協働ロボット。さまざまな産業で急速に普及が進む。国際ロボット展に合わせ来日した、協働ロボットのトップメーカー・ユニバーサルロボットのエンリコ・クロー・イバーセンCEOと、シャーミン・ゴットフレッドセンジェネラルマネージャに話を聞いた。
-国際ロボット展を見てどのような印象か?
とても興味深い。人が多く、素晴らしいデモンストレーションもたくさんある。世界中から人が集まり、国際的なショーだ。今回は各社が協働ロボットを出しているが、当社のURシリーズのように簡単なプログラムができるものは少ないようだ。
-2015年を振り返って。
前年比19%の伸びでエクセレントな年だった。とても満足している。ヨーロッパと北米が好調で、アジアパシフィック地域も良い成長をしている。日本も著しく伸びている国のひとつだ。
他のメーカーも協働ロボットに参入し、同じ方向に目が向いている。ユーザーもオートメーション化を考えたら協働ロボットを使うようになるだろう。
-協働ロボットは欧米メーカーが積極的だ。
協働ロボットについてはヨーロッパの方が進んでいる。
日本には自動車という大きな産業がある。自動車工場はいったん工場が立ち上がれば6~7年はそのまま。ロボットの再プログラミングや配置換えのニーズはそれほど多くない。
一方、当社も含めヨーロッパメーカーは、自動車産業に限らず、中小企業の人々が使うことを想定している。力の入れ具合が違うのは、そのあたりに要因があるのだろう。
協働ロボットは簡単にプログラミングし、配置できることをもっと認知していくことが必要だ。
-2016年はどうなるか?
グローバル、日本のビジネスは倍になると期待している。次世代型の新製品を開発中で、6月の「AUTOMATICA」という展示会でお披露目する予定だ。
ロボット市場で最も勢いのある中国市場では、政府がオートメーション化を推進している。一般産業や消費財の製造でも協働ロボットが使われている。
日本の製造業は、イノベーティブで高い技術がある。いつもロボットを使ってさまざまなアプリケーションを試してくれている。日本の中小企業も、協働ロボットを使ってオートメーション化することで、高い競争力を保っていくことができるだろう。