富士電機は、パワー半導体の新製品として、高速ディスクリートIGBT「High-Speed Wシリーズ」を発売した。
同製品は、IGBTチップを薄くして微細化することで、従来製品に比べて、スイッチング動作時の電力損失(ターンオフ損失)を約40%低減。さらに、スイッチング動作時の損失を低減し、従来製品に比べて高いスイッチング周波数20~100kHzへの対応を実現した。これにより、搭載機器の省エネと電力コスト削減、コイルやトランスなど周辺部品を小型化でき、機器本体の小型化とトータルコスト低減につながる。
製品ラインアップは、定格電圧650Vで定格電流40A、50A、60Aのものと、定格電圧1200Vで定格電流25A、40Aのもので、それぞれに内蔵ダイオードの有無がある全10製品をそろえる。
パワー半導体は、インバータや無停電電源装置、パワーコンディショナなどの産業機器や、電気・ハイブリッド自動車、通信機器などに搭載され、省エネや電力の安定供給を実現するとして需要増が期待されるキーデバイス。
IMSによると、ディスクリートIGBTが使われる産業機器や通信機器の市場規模は、2016年に約500億円、以降年率5%で成長すると予測されている。