IDECは、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)「FC6A形」を昨年12月25日からグローバル発売した。同機種は2017年発売の「FC5A形」の後継機種に相当し、プログラム資産は上位互換。プログラミングソフトウェア「WindLDR」は、HPからの無償バージョンアップで対応可能。
新製品は、処理速度アップ、プログラム容量の拡大などの基本機能向上はもちろん、大きな特徴として「システムのIoT化が簡単にできる遠隔監視対応」「特殊車両やディーゼル発電機向けの多彩なアプリケーションを実現するCAN J1939対応」「コンフィグレーションエディタによる開発工数削減」の三つが挙げられる。
遠隔監視については、HMIモジュールを用いることで、PLC内に格納された現在値や設定された目標値の確認、変更を実現。また、遠隔地から汎用のWEBブラウザを用い、HPを見る感覚でシステムの状態を確認することもできる。セキュリティも考慮し、パスワード機能も装備している。また、メール送信機能も装備。あらかじめ設定した送信先に対し、メッセージと組み合わせ、内部メモリの値を送信できる。カレンダタイマ機能とあわせ、定時に所定の情報を日報代わりとして携帯にメール送信するなどの用途が想定される。さらに、PLC本体に格納したCSVデータも添付可能。最大255件のメールアドレスを登録でき、アラームレベルに応じて異常発生時の警報通知先を変更することもできる。
また、ディーゼルエンジンの電子制御で標準化されている「CAN J1939」通信プロトコルに対応したCPUモジュールをラインアップ。エンジンの信号を直接受け、各種アクチュエータなど周辺機器を制御することで、装置全体の小形化と開発工数・配線工数の削減を実現する。特殊車両の周辺機器制御や、ディーゼル発電機の制御を想定している。
増設モジュール設定機能やI/Oモニタによりシステム全体の状態が一目で分かるコンフィグレーション(設定)エディタもPLCプログラミングソフトウェア「WindLDR」に用意し、開発工数も削減する。
他にもPIDモニタ機能の装備、着脱可能なコネクタの採用、DC12V電源タイプのラインアップなど使い勝手を考えた仕様にしている。プログラムサイズは最大8万ステップ相当、I/O点数は520点まで増設可能。アナログモジュール、温調モジュールも用意している。販売目標は発売後3年で57億円。