経済産業省経済産業政策局産業組織課は、「第4次産業革命に向けた横断的制度研究会」を月に一度開催することを決定した。
IoTやインダストリー4.0など第4次産業革命の進展にともない、さまざまな新しい技術や市場、ニーズ、サイクルが生まれている。例えば、ビッグデータに代表される情報処理可能なデータの飛躍的増大や、コンピュータの計算能力の向上、人工知能の技術革新など、革新的な技術がある。またデジタル市場では、インターネットなどで収集されたデータの分析に人工知能を活用して新製品・新サービスが開発され、その提供・顧客獲得を通じてさらにデータ収集が行われ、一層充実したデータの分析によって製品とサービスが改善・高度化して多くの顧客を得ていくというイノベーションの好循環が回り始めている。
これまでの枠に捉われない新たなビジネスの仕組みが生まれている。特定の事業者への取引とデータの過度の集中が起きたり、利用者への広告からの収入、特定の付加的なサービスのみの課金のシステムなど。また、立体スキャンと3Dプリンターの技術が進展・普及し、これまでデジタル化されてきた音楽や映像などを超えて、立体造形物の複製までもが容易になっている。さらに「モノ」の物理的な移動が「データ」の転送に置き換えられ、簡単に国境を越えるような環境ができつつある。
技術の進化により、従来型の商慣習や制度、法律では制御できないケースが出てきており、第4次産業革命などそれらに対応した仕組みづくりが必要となっている。
そこで同研究会では、産業構造が劇的かつ急速に変革する可能性を踏まえ、競争政策や知的財産政策などの横断的な制度に関する現状と課題の整理を行い、今後の対応などについて検討を行っていくとしている。