オシロスコープやスペクトラムアナライザ、信号発生器、電圧・電流・電力測定器、通信用測定器などの電気測定器の市場は、通信機器や自動車、エネルギー関連への投資増加を背景に、堅調な伸びが進む。
日本電気計測器工業会(JEMIMA)によると、2014年度の電気測定器全体の売り上げ実績は前年度比5.6%減の1180億円だった。20年に向けて期待されている各分野での技術開発や、インフラ整備への投資が本格的に始まらなかったことが原因とされる。
15年度は前年度比1.4%増の1197億円を見込み、それ以降も年率2.0~4.0%で増加。19年度には1344億円に達すると想定されている。
成長要因として、通信機器や自動車、エネルギー関連への投資増加に期待。通信関連ではIoTやM2M、次世代モバイル通信規格5Gや無線LAN環境の広がり、自動車関連では自動運転など自動車の高度化・高機能化による投資拡大、エネルギー関連ではスマートグリッドなどのエネルギー関連技術の拡大、省エネ関連機器の開発に伴う投資が増加するとしている。
一方、中国経済の減速傾向と他地域への影響波及、測定技術のコモディティ化による測定器の低価格化、低価格機器の普及などが懸念材料として挙がっている。