昨年は、改正品確法の運用指針に、設備工事における「分離発注」の活用が明記されました。電設業界が抱える諸課題の解決に大きく寄与するものと高く評価します。
当協会は、アクションプランに基づき、「夢と生きがいのある電設業界」を目指して事業展開を進めます。
(1)若年層の入職促進の仕組みづくりに取り組むとともに、登録基幹技能者の処遇改善の具体化と適正評価の推進や、社会保険加入促進による労働環境の改善を図ります。
また、大手会員企業の教育・研修施設を活用し都道府県協会が実施する「実技講習会」を全国9支部12施設で展開し、業界全体で技術・技能のレベルアップを図ります。
中・長期的視点では、高齢化と若年入職者の減少による人材不足に対応して外国人技能労働者を活用する道を拓くとともに、海外電気設備工事の品質向上への貢献を目指し、外国人技能実習制度の対象職種に「電工」を追加することを検討します。
(2)工期の終盤を担う電気設備工事は工程遅れのしわ寄せを受けやすく、品質管理や安全面への影響が懸念されます。工程遅れの一要因である「設計図書の不備」に関する課題と対応策を整理し、設計図書の精度向上を目指します。
また、需要設備の使用前検査の規制緩和に伴い、受電時の完成度が不十分な工事が増加しています。「電設協版保安規程」と「工事出来高チェックシート」を会員企業の現場で活用し、適正な受電時期設定のためのチェック体制の確立を目指します。
(3)品質とコストの関係が透明かつ明確で改正品確法の理念にも適った分離発注の一層の浸透を目指し、「分離発注促進キャンペーン」を展開するとともに、分離発注の優位性について提案力の強化を図ります。
(4)電力の安定供給は国民生活の重要な基盤です。再生可能エネルギーの施工や系統連系などの技術的課題の検討を通じて、電力の供給事情の変化や節電ニーズに的確に対応するとともに、電力システム改革の方向性を見据えた新しいビジネスモデルのあり方を検討します。
これらの重点目標の達成に向け、本部・支部および都道府県協会が手を携え、さらには関係機関・団体との連携を強化して参ります。
結びに、皆さま方のご健勝をお祈り申し上げ、新年のごあいさつと致します。