2015年の日本経済は長く続いたデフレ経済からの脱却に向けて着実に前進しております。
一方、自動認識業界では、RFIDを活用した非接触の鉄道乗車券などで着実に発展普及して参りましたが、現在は当たり前の身近な技術になりすぎ重要であるという認識が薄れています。
それを打開すべく当協会の活動としては、昨年7月には内閣府・経産省の進める「ロボット革命イニシアティブ協議会」へ参加しました。ロボットの自律稼働にはセンシングと自動認識が不可欠であり、AI(人工知能)との組み合わせにより自動認識はその基盤技術、キーファクターの一つとなると考えています。また、10月には「IoT推進コンソーシアム」へも参加しました。
本コンソーシアムは、「IoT/ビッグデータ/AIの発展によって、産業・社会構造が大きく変革し、新たなサービスが生まれ、既存のビジネスが陳腐化するという懸念のある時代に対応するため、企業・業種の枠を超えて産官学で利活用を推進する」という目的で設立されたものです。いずれも、当協会としてはIoTをキーワードとした業界における取り組みを広く展開・発展させるための重要なキーになると考えており、自動認識技術の重要性を業界の皆さまに理解して頂く絶好の機会と捉えております。
その他としては、2月の「第12回自動認識総合展大阪」に続き、9月に「第17回自動認識総合展」を東京ビッグサイトで開催致しました。また「第17回自動認識システム大賞」では、応募数では一昨年を上回り、非会員企業様からの応募も増加。当大賞に対する認知度が一段と進んでいるものと考えております。また、応募作品の内容も多様化しており、どの作品も「安心・安全」「新規性」「効果」「経済性」に優れ甲乙つけ難い内容でありました。標準化活動については、経済産業省などからの受託事業として、自動認識技術を基盤とした物流アプリケーションに関連した標準化活動を推進しております。また、一昨年より会員企業が生産する製品の性能評価仕様に関するJIS開発を「高機能JIS等整備事業」として継続実施しており、会員企業の活動をさらに支援できるよう進めて参ります。自動認識システムは、今後も既存技術にバイオメトリクス、マシンビジョンなどの新たな技術を複合的に組み合わせることにより、IoTやAIを活用した次世代技術が生み出せると考えており、益々その活用範囲は大きくなると確信しております。
当協会は、昨年9月をもって前身である任意団体「AIM
JAPAN」から数えて30周年を迎えており、本年5月の総会後の懇親会では記念行事も企画しております。
今後もより一層、業界および関連団体、省庁間との連携を密にし具体的な事業の発展に尽力すると共に、会員企業をサポートしていく責務をしっかりと果たしていく所存です。
最後になりましたが、本年が皆さまにとりまして良い年でありますよう心からお祈り申し上げますと共に、益々のご発展とご多幸を祈念申し上げ、年頭のごあいさつと致します。