15年の経済状況を振り返りますと、世界的な原材料価格の低下などにより国内企業の収益は回復しており、設備投資は業種により差が出ているものの、全体としては緩やかに持ち直しています。雇用情勢も改善しており、個人消費は底堅い動きを示しています。
こうした状況の中、当工業会の統計によると、電気計測器の15年度の売上高は、機械、自動車、電力、情報サービス等の分野での需要増加を受けて、電力量計が引き続き大きな伸びを示しているほか、電気測定器、PA計測制御機器が微増となり、海外拠点の売り上げを含んだ数字では前年度比7.3%増の8012億円となる見込みです。
16年度については、さらに2.9%増加し8246億円の売上高になると見通しています。
産業界、特に製造業では、“モノ”とインターネット(IIoT:Industrial Internet of Things)時代の新しい製造業のあり方を訴求する動き、情報・通信技術のオープン化と技術融合・統合の動きなど、“モノ”づくりを取り巻く、大きな産業構造の変化がありました。
このようなイノベーション、産業構造変革の機会を捉え、日本電気計測器工業会では一昨年に策定したビジョンに基づき、製造業者以外の電気計測器関連事業を営む法人も正会員となる道を開いて、「計測と制御の総合的な工業会」を目指した活動を継続します。計測・制御分野を超えた知能集団形成を模索しつつ、日本の存在感を世界にアピールし、世界における日本の地位を向上させることに大いに貢献できるよう、諸施策を今後とも強力に推進し、会員企業一同、皆さまと共にこの激変の時代を乗り越えて参ります。
さて、当工業会最大のイベントである計測展2015TOKYOは、前回の2013年に引き続き、システムコントロールフェア(SCF)との同一会場・同時開催として実施しました。出展者数は前回の40%増、来場者数は35%増となり、大変盛況な展示会として大成功を収めることができました。
本年の秋に大阪で開催する計測展2016OSAKAも、この勢いをつないで各種の企画を行いますので、ご期待ください。
本年も、昨年同様に関係各位のご支援とご理解をお願い申し上げ、2016年年頭のあいさつとさせていただきます。