アメリカの金利上昇や、原油安の継続による不透明感も残るが、通期はグループ全体で増収増益を見込んでいる。
昨年はドイツに現地企業と合弁で生産拠点を開設し、日本、米国と合わせ3極体制が構築できた。インダストリー4.0を推進するドイツに最新鋭の生産ラインを構築することで、現地の最新情報を得る役割も期待している。
また、圧力計は消費地近くで生産、センサのコア部分は日本から世界に供給することで、日本品質を維持しながら顧客ニーズに即した対応を強化する。
水素関連ビジネスも動き始めている。例えば、燃料電池自動車には当社製圧力センサが搭載されている。水素は水素脆化と呼ばれる金属腐食を起こしやすく、材料から製造方法までトータルの高い技術が求められる。当社の「安心・安全」なものづくりが認められた結果と考えている。4社協業のBLUEDGEの取り組みでは、信州大学内に共同で使える研究室を設置、産学で新しいビジネスチャンスを発掘したい。
今年春にはバルク型セラミックセンサの製造も開始する。これは低圧を得意としており、絶縁性が高く、サージなどのノイズにも強い。エアコン、建設機械、ポンプなどの圧力センサとして業績向上に寄与すると見ている。インフラ関連では「光ファイバセンサ」を利用した応用システム製品の開発も進める。これはトンネルや橋梁、道路の老朽化診断に光ファイバを用いたシステムで、防爆環境や高圧・高電流を扱う場所でも安全な信号伝送ができ、社会の安全を守ることにつながる。今年も「安心・安全」にこだわり、顧客のニーズに応えていきたい。