制御機器や電子部品などの流通を担う商社を取り巻く環境は年々厳しさを増している。市場の成熟化が進む中で、ネット販売などの利用が増加するとともに、電設資材や機械工具商社などと競合することも増えている。日本経済再興に向けた各種施策や、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けたインフラ投資などの効果も、現状ではわれわれのところまでは及んでいないのが実情である。
こうした中で、当社の16年1月期の売り上げは前年同期を若干下回って推移しているが、現在追い込みを行っているところである。昨年は2~3月の出足が悪かったが、11月以降は受注が増えてきており、今後もこの流れを継続して来期以降の売り上げ増に貢献してくれることを期待したい。
国内のものづくり投資は以前に比べ減少しているが、それでも規模は小さいものの市場は残っている。ただ、この市場に制御部品としての販売だけでは価格競争で終わってしまうことになりがちである。売り上げと利益の両方を伸ばすためには、よくいわれる付加価値販売が重要になってくることから、アッセンブリー加工や一括調達などひと手間かけた方法での売り方も強化している。
また、ものづくり以外の安全や防災・防犯などでの販路拡大にも取り組んでいる。「川崎ものづくりブランド」にも認定されている独自開発の長期滞在用防災マット「クイックナップ」も、川崎市の各区や町内会、大手企業などで防災備品としての一括購入が増えている。展示会などで展示・PRしてくれることも多い。大きな売り上げになっているとはいえないが、企業の社会貢献を兼ねた取り組みの一環と考えている。地道な取り組みで増収増益を確保したい。