三菱電機は、IoT時代のシステムを支える基盤として、センサーから得られた大量のデータを高速に蓄積・検索・集計する「高性能センサーデータベース」を開発した。工場やプラントの稼働状況監視をはじめ、道路や鉄道など社会インフラの維持管理、ビルや住宅のエネルギー管理などの分野のセンサーデータの迅速な活用方法を提供する。IoT時代に大量のセンサーデータを活用する中で、これまで大規模データを高速処理する方法には多数のサーバによる並列分散処理、大容量主メモリを利用したインメモリ処理、フラッシュメモリを利用した高速ストレージの利用などが採られていた。しかし、これらを実現するサーバは非常に高額となっていた。
今回同社は、安価なハードウエア構成で100兆件のセンサーデータの処理が可能な「高性能センサーデータベース」を開発した。
データ圧縮方式とデータ配置、データ処理単位の最適化を新たに開発。データ蓄積に要する容量、時間、蓄積したセンサーデータを検索・集計する時間のすべてを従来比最大1000分の1に削減。さらに安価なハードウエア構成でも高速処理が可能。センサーデータベースを、1~2個のCPU・主メモリ4ギガバイトのサーバ1台上に構築しても高速処理ができる。従来10台から数千台のサーバが必要だったのを1台~数台に集約でき、運用の容易化や省電力化が可能になった。