日東工業は、菊川工場(静岡県菊川市)の敷地内に、システムラックの耐震性能や屋外キャビネットの耐風雨性能など、設置環境に対する性能検証を充実するため、既存の試験設備に加えて新たな試験設備を導入、試験研究棟を建設する。
情報化社会の発展に伴い、屋外に設置される情報通信インフラ・監視インフラなどの重要度が高まっている。それらの設備機器に使用されるシステムラックやキャビネットは、地震などの災害、大型台風や集中豪雨などの過酷な自然環境にも耐える性能が要求される。そこで、同社では顧客のニーズを満足させる製品を提供するため、設置環境に対する性能検証能力を強化することにした。
新試験研究棟は4階建てで、建築面積は約1280平方メートル、投資金額は試験設備込みで約20億円。今年3月に着工し、2017年3月に竣工する予定。
設備の内容は、3軸耐震試験設備は、災害で観測された地震波などの再現や模擬的な地震波形の加振が可能。主に3軸同時加振による性能評価が要求される情報通信市場向けシステムラックの耐震性能評価が行われる。
加振テーブルサイズは3×3メートル、最大搭載可能質量は3000キロ。兵庫県南部地震、東北地方太平洋沖地震などの地震波形、正弦波、ランダム波などの各種試験波形を再現できる。
風雨試験設備は、強風・豪雨を同時に再現し、屋外キャビネットの防水性能や風圧に対する影響評価が行える。最大風速は毎秒60メートル、最大降雨量は毎時300ミリ。