機能製品開発・製造のワイティーエル(横浜市中区、近藤良夫代表取締役社長)は、素材に塗装することで、スリ傷などが付いても自己修復する塗装の量産技術を確立し、サンプル出荷を開始した。
傷つきの防止には、塗装の硬度を上げるのが一般的であるが、塗装はプラスチックが原料であるため、日常生活における金属製品との擦れなどで起きる傷は避けられないといわれる。
同社では、自己修復する塗装を、専用治具の開発と塗装・乾燥工程の大幅な改善を図ることで実現した。価格も今までiPhoneケースではコストが1000円ぐらいだったが、160円から200円程度下がり、普通のクリアコートの120円と遜色がなくなっている。
機能性塗料の国内市場は、2014年で2865億円となっており、18年には3100億円規模になると予想されている。今まで引き合いが多かった化粧品、健康食品、家具、電子機器などに加え、コスト面で採用が見送られていたアイテムも多いことから、この量産技術により採用が広まることが見込まれている。
また、欧州など海外では企業のブランド名の入るアイテムや、長きにわたって製品を愛用する需要があり、いつまでも新しい商品の状態を保つことのできる自己修復塗装のニーズが高いとしている。