電気制御機器の2016(平成28)年度の出荷額は、15(平成27)年度比2.8%増の6630億円となる見通しだ。これは14年度の6732億円、07年度の6682億円に次ぐ過去3番目の額となる。15年度の出荷額は14年度比4.2%減の6448億円と3年振りに前年度割れになる見込みである。
日本電気制御機器工業会(NECA)がまとめた16年度の出荷見通し額は、国内が3920億円(15年度比3.0%増)、輸出が2710億円(同2.5%増)と、国内外ともプラスを見通している。特に輸出は過去最高更新する。国内は上期0.9%増、下期5.2%増と見ており、下期に消費税増税前の駆け込み需要から増加を予測している。
輸出は、上期1.8%減、下期7.1%増と予測し、上期は前年実績割れと見ている。米国はドル高や輸出減の懸念があるものの、個人消費や設備投資などが底堅く、欧州も原油安や金融政策の効果もあるが、伸び率は前年より鈍化する。中国は減速傾向が続き、アジアも中国などの影響を受け鈍化し、円高による為替相場も懸念材料となっている。
製品別では、検出用スイッチが3.3%増と平均より高い伸びを見通しているが、ほかは2.8%増前後と全体の伸びとほぼ同じになっている。一方、15年度の出荷見込みは14年度比284億円(4.2%減)少ない6448億円となり、厳しい見込みとなりそうだ。15年度は上期、下期とも前年同期比95%前後と減少した。国内が6.6%減の3804億円と3年振りに4000億円を割る。輸出は1.3%増の2644億円と、過去最高であった14年度の2609億円を上回り2年連続で過去最高額となる見込み。NECAでは15年度の出荷額を過去最高更新する初の7000億円台乗せを目指していた。
なお、電気制御機器の海外生産・海外販売(Out・To・Out)額が年間約800億円あるものと見られている。