ダッソー 3D EXPERIENCEプラットフォームに注力 IoTは検討フェーズに

ダッソー・システムズ(東京都品川区、鍛治屋清二社長)は8日、2016年の事業戦略説明会を実施し、16年は3D EXPERIENCEを総合的なビジネスプラットフォームとして展開し、デジタル・マニュファクチャリングとシステムズ・エンジニアリング、クラウドに力を入れていくことを明らかにした。

15年度ワールドワイドの売上高は、前年比23%増の2877万ユーロ、日本円で約4000億円弱となり、鍛治屋社長は「営業利益も高く、株価も堅調。経営としては良い一年だった」とする。新規産業での採用が15年度のソフトウェア収入の30%を占め、特に医療機器・医薬品、エネルギー・プロセス、パッケージ製品・小売、天然資源で拡大した。

また新規ライセンス収入に対して3D EXPERIENCEのV6製品が占める割合が急伸。14年度24%だったのが29%まで拡大した。

16年の日本における事業戦略のキーワードとして「プラットフォーム」を掲げる。「アップル、グーグルなど、プラットフォームコンセプトを利用している会社が今の世の中をリードしている。製造系のデジタル化は遅れていてプラットフォームはほとんどない。3D EXPERIENCEプラットフォームでメイカーズがつながる仕掛けを共有したい」とする。

デジタル・マニュファクチャリングでは、IoTやスマートファクトリーについて情報収集から検討フェーズに突入し、エンジニアリングチェーンとサプライチェーンの統合に向けた製品を提供していく。

また建設・建築業界のクラウド普及に力を入れる。同業界では案件ごとに必要ライセンスが変わり、クラウドの親和性が高い。3D EXPERIENCEで設計と施工、管理運営間で情報を共有して活用することでエコシステムの構築を提案していく。

またSOLIDWORKSについても3D EXPERIENCEの一員として、子供向けのアプリ「SOLIDWORKS Apps for Kids」や、店舗やブランド向けの製品カスタマイズサービスのプラットフォーム「SOLIDWORKS Make」など、新たな取り組みを開始するとした。

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