2016年度の重電機器の生産は15年度比101.6%の3兆7626億円となる見通しだ。発電用原動機が108.4%と高い伸びになるほか、回転電気機械が103.1%と増加する一方、静止電気機械器具や開閉制御装置は微減となる。
日本電機工業会(JEMA)は、15年度と16年度の重電機器生産見通しをまとめた。
15年度の生産見込みは、3兆7047億円(14年度比95.0%)と、09年度以来7年ぶりに前年度割れとなる見込み。
開閉制御装置は、閉鎖型配電装置が20年東京オリンピック・パラリンピック開催を見据えた大都市再開発の動きにより114.3%と2桁の伸びを示し、また監視制御装置が電力向けや製造業向けの伸びで124.3%と同じく2桁の増加となる見込みで、全体では1兆4285億円(105.3%)とプラスになる。ただ低圧開閉機器は、アジアを中心とした新興国経済減速の影響を受け輸出を中心に厳しく、中でもPLC(プログラマブルコントローラ)は1002億円(88.9%)と約125億円減少した。
発電用原動機は、5632億円(同82.2%)、回転電気機械は、交流電動機やサーボモータが中国経済や新興国経済の不透明感の影響により9200億円(88.9%)、静止電気機械器具も7931億円(96.4%)と減少になる。
一方、16年度はプラスを見込んでいる。発電用原動機は、国内電力向け案件が予定されていることから6103億円(108.4%)と増加し、回転電気機械も9483億円(103.1%)と増加になる。交流発電機が、発電用原動機に連動している面もあり増加。前年度は落ち込んだ交流電動機は100.2%、サーボモータは105.5%になるなど、中国経済の停滞感は続くものの、世界経済の緩やかな回復による需要増を期待している。
静止電気機械器具は、7848億円(同99.0%)と前年度をやや下回るものの、引き続き高い水準を維持し、汎用インバータも横ばいで推移する。
開閉制御装置は、1兆4192億円(99.3%)と前年度をやや下回るものの、PLCは100.2%と横ばいとなる見通しだ。