本多通信工業は、少量コネクタのケーブルアッセンブリ品を短納期で実現するサービス「2weekハーネス」を4月1日から開始した。また同時に、コネクタの少量短納期サービス「1weekデリバリー」の品種も1000品目に拡張した。
2weekハーネスは、小型・高速伝送・堅牢が特徴の角型I/Oコネクタ「HDR・HDRAシリーズ」50種類のうち、9種類を対象に、コネクタ、ケース、ケーブルをハーネス加工して2週間(注文から10稼働日)で届けるもの。受注は、最小1本から最大20本までで、ケーブル長は50センチ間隔で1メートル~5メートルまで可能。受注はネットの「2weekハーネス用サイト」のみでの対応となる。価格は4000円前後を予定。
同社は、試作用などの少量コネクタを求めるニーズに対応するため、過去の受注から納品にいたるフローを分析して業務の見直しを行い「富山の薬配置方式のように、使ったものだけを補充していくプル型生産を採用」(佐谷紳一郎社長)することで、コネクタの少量短納期サービスを開始している。
今回これに昨年4月から開始しているネット販売のノウハウを生かすことで、ハーネスまで含めた2week納品を実現した。現在、コネクタの売り上げは160億円あるが、2020年にはこのサービスで年間5億円の売り上げを目指しており、これの受注を契機に量産品の受注にも広げていく。
一方、13年10月から開始したコネクタの少量短納期サービス「1weekデリバリー」も、昨年4月に500品目まで拡大している。4月からは、FA機器で幅広く使われている角型I/Oコネクタ「MRシリーズ」や、様々な産業機器で採用のピンヘッダ「HKP/LPCシリーズ」を追加し、1000品目へ拡充した。これで約4000品目ある同社のコネクタの約4分の1、コネクタ売り上げの80%が1weekでの納期対応が可能になる。
佐谷社長は「産業用コネクタは多くても最大1万個の多品種少量の市場であり、ここでは機能(ハード)プラス付加価値がポイントになる。当社は短納期とハーネスの差異化で付加価値販売につなげていく」としている。