先日閉幕したドイツ・ハノーバーメッセでは、ドイツとアメリカの急接近があり、第4次産業革命に向けて大きな転換期となった。日本がGDP600兆円を実現するためには、第4次産業革命による製造業の活性化が急務。国として日本はどのように第4次産業革命に対応していくのか?
経済産業省は、第4次産業革命を実現するための「新産業構造ビジョン」の中間整理を行い、具体的な戦略的取り組みについて七つの項目を発表した。
まず、データ利活用促進に向けた環境の整備と促進が必要とし、データプラットフォームを構築し、データ流通市場を創成。個人データの利活用や、セキュリティ技術の開発や人材育成等を強化していく。また第4次産業革命における知的財産をどうするかという整備も行う。
次いで、人材育成と獲得、雇用システムの柔軟性を向上する。第4次産業革命で変わるニーズに対応する教育システムを構築し、人材もグローバルから獲得できるようにする。労働市場と雇用制度を柔軟にし、多様な形で働けるような仕組みを作る。
三つ目は、製品の企画開発や設計など、イノベーション・技術開発の加速化を進める。オープンイノベーションシステムを構築し、世界をリードするイノベーション拠点を整備し、人工知能など国家プロジェクト構築と社会実装を加速。知財管理や国際標準化を戦略的に進めていく。
四つ目は、金融・ファイナンス機能の強化。リスクマネーの供給に向けた資金調達の強化、無形資産投資の活性化、FinTechを核とした金融・決済機能の高度化による金融インフラ整備を行う。
五つ目は、産業と就業構造の転換の円滑化を目指す。スピーディーな意思決定をするガバナンス体制の構築と、事業再生・再編を柔軟にするための制度と環境を整備する。
六つ目は、第4次産業革命を中小企業や地域経済へ波及させること。このために中小企業や地域へのIoT導入や活用基盤を構築する。
七つ目は、第4次産業革命に向けた経済社会システムの高度化。規制改革やデータを活用した行政サービスの向上、グローバル展開の強化、社会への第4次産業革命の浸透などを進めていく。