ラティス・テクノロジー 現実と3Dモデルを仮想環境で統合 自分の視点でイメージ検証

■3Dモデルに高い関心
設備エンジニアリングの分野で3Dデータの活用が進んでいる。超軽量3Dフォーマット技術「XVL」で有名なラティス・テクノロジー(東京都文京区、鳥谷浩志代表取締役社長)が2月に発表した「XVL StudioHybrid for MREAL」も各方面で高い注目を集めている。

同製品は点群を含む大容量3DモデルをMR(複合現実感)環境で検証可能にした新ソリューション。DMUソリューション(デジタルモックアップ:仮想モデルで設計や生産工程を検証する技術)を、キヤノンのMREAL(複合現実感システム)環境の上に実装している。これにより、既存の製造設備の横に新設備を置く場合、既存設備の点群データと新設備の3Dモデルを仮想環境で統合し、その環境の中に自分の体を置いて、自分の視点で設備の状況を確認することができる。熟練者が実際に動いて確認することで、無理な作業姿勢や効率が悪い動線になっていないかなどを、実際の設備がない状態で検証することができる。微妙な動きが再現できるため、バーチャルな検証だけでは見つけられない課題解決につながる。また、既存設備と新設備が混在するレイアウト評価でも活用ができる。例えば実際に現場で利用する台車をバーチャル空間で操作して動線の確認をすることで、作業性を確認、課題が見つかれば設計に反映するなど、安全で効率的なレイアウトをスムーズに決定できるため、ラインの垂直立ち上げに貢献する。

設備業界ではコストダウン、納期短縮、エンジニアの人材不足など多くの課題が積みあがっており、3Dデータの活用は課題解決のためさらなる活用が期待される。3Dスキャナの普及により、既存の設備や工場を計測し、その点群データを生産性や品質の改善に活用する動きも加速。同社の3Dデータ軽量化技術は自動車、造船、産業機器など多数の企業で導入が進んでおり、今後も新しいソリューションを提案していくとしている。

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