不二電機工業は、色弱者も色の違いがわかる「カラーバリアフリーLED」を開発し注目を集めている。組み込み機器をはじめ、表示などに用いられる光源はLEDが標準になりつつあり、日本に300万人いると言われる色弱者にとっても普及が待たれている。同製品は、NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構が行っている2015年度「CUD検証」に合格。色覚の個人差を問わず、できるだけ多くの人に見やすいカラーユニバーサルデザインに配慮して作られている製品が認証される。
「カラーバリアフリーLED」とは発光波長を色弱者にも色の違いを認識できる範囲に限定したLED。同社は橙(だいだい)、青緑、青の3色を展開し、表面実装タイプ、3528サイズ(3.5ミリ×2.8ミリ)で提供する。
2020年の東京オリンピックを控え、さまざまな分野でバリアフリー化の動きが加速しているものの、色弱者への配慮は不足している。信号、警告灯、表示機器、案内板など交通インフラをはじめ、導入の必要性が高まっている。同製品を表示機器に採用することで、色の変化や違い、光の点滅が認識しやすくなるなど安全面でも大きなメリットがあり、同社では鉄道用の表示灯への展開を予定。引き続き安全安心な社会インフラを支える製品提供を推進していくとしている。