FA関連機器の電機5社(三菱電機、オムロン、富士電機、安川電機、横河電機)2016年3月期決算が出そろった。中国やアジア市場の停滞もあったが、横河電機が売上高、営業利益、経常利益、純利益すべてで最高益。富士電機も増収増益、安川電機も売上高、経常利益ともに過去最高を記録するなど、好調をキープした。
16年3月期は、横河電機が全項目で最高益を達成。中でも純利益は前年同期比75.1%増となった。資源やエネルギー、素材関連の投資、プラント設備の更新が支えた。
富士電機も増収増益。営業利益が二桁増、純利益も同9.5%増と好調だった。国内のパワーサプライの電源設備の増加などがあった。
安川電機は、純利益を除く売上高、営業利益、経常利益が過去最高業績となった。溶接やハンドリング、塗装など、先進国の自動車関連分野でロボットが好調だった。
三菱電機は、産業メカトロニクス部門は好調。同3%増の1兆3219億円。自動車関連の設備投資や国内企業の設備更新などが支えた。
オムロンの制御機器部門であるIABは、同1.2%増の3360億円で、前年をクリア。自動車や電子部品関連業界の設備投資が堅調に推移した。
決算発表に合わせて、横河電機と富士電機、安川電機が中期経営3カ年計画を発表した。
横河電機は「TransformatIon2017」で、顧客にフォーカス、新しい価値づくり、高効率グローバル企業など三つの変革の実現に取り組む。
富士電機は「RenovatIon2018」を策定。さらなる変革を基本方針に、成長戦略の推進と収益力の強化に取り組む。具体的にはM&Aの推進による海外事業の拡大、ムダやロスコストの発生を未然に防ぐ「Pro-7活動」を再活性化し、収益力強化に取り組む。
安川電機は「Dash25」をスタート。高収益企業体質の確立に挑戦しながら、前中期経営計画の成果刈り取りを行っていく。また2025年ビジョンの基盤構築のため、コア事業領域を強化。新自動化装置の開発や、安川版インダストリー4.0の取り組みなど、新たな仕掛けに取り組んでいく。
FA関連機器の電機5社 16年3月期決算(単位:億円、%は前期比)
※上段は2016年3月期、下段は17年3月期予想
売上高 営業利益 純利益
三菱電機 43,943 1.6% 3,011 -5.2% 2,284 -2.6%
42,800 -2.6% 2,600 -13.7% 2,000 -12.5%
オムロン 8,336 -1.6% 622 -28.1% 472 -23.9%
8,200 -1.6% 630 1.1% 475 0.4%
富士電機 8,135 0.4% 450 14.5% 306 9.5%
8,300 2.0% 470 4.4% 310 1.2%
安川電機 4,112 2.8% 367 16.5% 223 -9.9%
4,000 -2.7% 280 -23.8% 180 -19.5%
横河電機 4,137 2.1% 396 32.9% 301 75.1%
4,070 -1.6% 360 -9.2% 230 -23.7%