IDECは安全柵なしで人とロボットの協調安全を実現する「安全モデルパッケージ」の提供を開始する。自社が提供する多彩な安全コンポーネントを、安全システム構築に関する資格「セーフティアセッサ/セーフティベーシックアセッサ」を持った社員がシステムとして提案、安全のソリューションプロバイダーとして安全システム構築をサポートする。
「安全モデルパッケージ」では協働ロボットからハイパワーロボットまでを広くカバーし、安全を担保しながら生産性向上を実現させる。
具体的には安全システムの構築をソフト面(ノウハウ)、ハード面(安全機器・システム)でサポートする。代表的なロボット安全パッケージは松竹梅の三つを用意。最もサポートが厚い松では「安全ノウハウ講習」「リスクアセスメント指導」「レーザスキャナ(2台)ほか周辺安全機器」「安全制御盤・制御盤設計・安全回路設計」などがセットになり、参考価格は300万円。
最もローコストに導入ができる梅では「安全構成提案書」「レーザスキャナ(2台)ほか安全盤内機器」がセットになり、参考価格は80万円。
松や竹には安全講習も含まれるため、自社にもノウハウが蓄積される。特にロボットシステムの安全確保にはロボット単体だけではなく、全体の制御システム、非常停止装置などを含めた体系的な安全技術の理解が必要で、さらに個々のシステムにおいて安全を確保するためには、機械類の制限を決定、危険源の同定、リスクの見積もり、リスク評価を行ったうえで、リスクの低減対策を行ういわゆる「リスクアセスメント」が必要。そのため、装置メーカーを含めた各企業が適正な安全対策を行うためのハードルは非常に高いのが実情だった。
同社にはセーフティアセッサ資格制度で最上位に位置する「セーフティーリードアセッサ」資格を有する社員を14人(日本全体の約4割)有しており、セーフティベーシックアセッサ資格保有者を含む関連資格も303人が取得している。レーザスキャナ、ライトカーテン、セーフティコントローラ、イネーブル装置、非常停止用押しボタンスイッチ、安全スイッチなどの多くの安全コンポーネントも提供することで、生産性向上と安心・安全な生産・製造現場の実現に寄与する。
また、4月26日からはレーザーで防護領域を設定し、安全を担保するセーフティレーザスキャナ「SE2L形」を発売した。
同製品は2段階の防護領域を設定し、機械を停止させる前に減速を開始する領域を設定することが可能。検出距離5メートル、検出角度270度などハイスペックな性能も有しており、同社のセーフティコントローラや強制ガイド式リレー、安全スイッチ、非常用押しボタンスイッチなどを用いたシステム構成で生産現場の安全対策を行うことができる。