独フエニックス・コンタクト I4.0を社内外で活用

配線接続機器をはじめ、各種電子機器メーカーの独・フエニックス・コンタクトは、ドイツが提唱している第4次産業革命「インダストリー4.0(I4.0)」の具現化へ全社を挙げて取り組んでいる。

I4.0では、消費と生産現場をつないだ効率的、且つ市場ニーズを迅速に反映したものづくりが成果の一つとして強調されることが多いが、同社はこうした成果だけでなく、社内のサービスセグメント部門で、生産現場で使用される設備の管理でもI4.0をキーワードにした取り組みを進めている。

生産現場使用されるツールや金型部品などの管理にI4.0を活用することで、メンテナンスの効率化とダウンタイムの削減を図るものだ。ツールにはタグが付いており、どのツールがどの機械に付き、明日の稼動予定時間もわかる。当然、使用(稼働)した時間も分かることからツールの予知保全になる。金型も同様で、取り付け・取り出し管理を行うことで、金型の磨耗度合い・精度の把握などが可能になる。

I4.0を活用したこうした管理情報が変更履歴にすぐに反映されることで、担当の社員が休んだりして不在であっても、他の社員が過去の管理情報を引き継げるなど、部門内での連携した管理体制が容易に実現できる。従来、こうしたツールや金型の情報をネットワーク化させて管理するのは難しいとされていたが、同社では、2015年10月から活用を始め、I4.0の広がりとして成果に結び付けつつある。

4月に開催されたハノーバーメッセの会場では、制御盤の設計から加工、機器の配線までを自動化したデモ生産ラインを、筺体メーカーのリタール、制御盤設計CADメーカーのEPLANと連携してアピールした。I4.0コンセプトでつながったインテリジェントな制御により、制御盤製作の自動化を実現しようしている。

将来的には、制御盤に使用している部品データや設計手法などを規格などと自動照合することで評価を加えることも考えている。例えば、非常停止規格に対応した機器の取り付け方法といったように、世界中の規格データとリンクして評価しながら制御盤設計を行っていくことも可能になってくる。

フエニックス・コンタクトは、配線接続機器、安全機器、避雷器、産業用コンピュータから、プリンタまで幅広い盤関連機器をラインアップしており、I4.0を活用した展開をさらに進めようとしている。

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