▼タブー(taboo)とは「言ったり、したりしてはならないこと。ご法度。禁忌、禁制」(デジタル大辞泉)。現代社会が作り出したタブーの中には、実際にはタブーでも何でもない。単なる思い込みや既成概念で作り出されたものが沢山ある。それをそのまま受け入れてしまうと、自らに足かせを課し、可能性や未来を潰してしまうことになる。日本の製造業は、知らぬ間に自らを縛り付けていないだろうか?
▼世界には、日本人では信じられないような製品が流通している。例えば、中国では電子レンジ付きの冷蔵庫が発売されている。冷蔵と熱源の同居は、日本の設計者から見ればあり得ない製品である。でも、中国ではそれが普通に作られ、流通している。日本でも冷蔵庫の上に電子レンジを置いている家庭はよくあり、電子レンジと冷蔵庫が近い場所にあることはおかしな話ではない。日本の冷蔵庫、電子レンジとは違った価値を提供している
▼日本人が考えるタブーは、決して世界のタブーであるとは限らない。世界の価値観は日本のそれとは違う。今までこうやってきた、日本はこうだったから世界も同じだという思い込みは危険である。そのミスマッチを防ぐためには、ユーザーが望むもの、本質的に人間がハッピーになるための製品づくりが大事である。それを阻害するようなタブーは単なる足かせでしかない。その見極めが重要だ。
灯台
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