本多通信工業は、デジタル車載カメラ用コネクタとして、LVDSタイプ2機種と同軸タイプ1機種を開発、「デジタル3兄弟」のベースモデルシリーズとして、6月から提供を始める。
開発を終えたコネクタは、業界最高水準のIP69K防水・防塵機能を有しており、高圧・高温の洗車にも耐える構造となっている。また、ノイズの多い車載機器と混在使用しながら、デジタル信号を高速で安定した伝送ができるようにシールド形状の最適化を図っている。
開発したコネクタのうち、LVDSタイプは国内自動車メーカーのアナログ車載カメラで実績があり、同軸タイプは欧州系車メーカーからのニーズが高い。今回、それぞれの長短を踏まえて全方位的な提案を行っていく。
車載カメラは、アナログのパーキングアシストや、安全な運転をアシストする先進運転支援システム(ADAS)、さらに、事故を未然に防ぐ自動運転へ進化する中で、高速デジタルセンシングモジュールとして、今後飛躍的に搭載数量の拡大が見込まれている。
同社は、2010年9月に車載用カメラ向けのコネクタを初出荷して以降、車載をFA、通信と並ぶ注力分野として取り組み、現在は売り上げの3分の1に当たる45億円まで拡大している。中期経営計画「GC20」の最終年度に当たる20年度には、倍増の100億円を目指している。これに向けて、工場の増産体制と合理化投資を進め、カスタマイズしたコネクタを短納期で供給できる体制を確立していく計画。