■アジア最大級「食の技術」総合トレードショー 国内外から683社が出展
「食」の安全 さらに追求 日本の食文化 世界から熱視線
アジア最大級の「食の技術」の総合トレードショー「FOOMA JAPAN2016 国際食品工業展」(主催=日本食品機械工業会)が、6月7日(火)から10日(金)までの4日間、東京ビッグサイト(東1~6ホール)で開催されている。展示面積2万8492平方メートルに、683社が出展。国内外から10万人規模の来場者が見込まれている。開場時間は10時~17時。入場料は1000円(招待券持参者、事前登録者は無料)。
同展は、食品機械をはじめ、原料処理から製造、物流にいたるまで食品製造のプロセスに関わる企業が一堂に集まる食品技術の総合トレードショーで、今回が39回目。今年のテーマは、「おいしい技術をアップデート。」
「食」の安全安心を固守しつつ、最新の製品・技術・サービスを披露することで、食品に関連する多くの産業分野のより一層の発展を目指していく、という。また、「食」は人々の健康を維持し、生活の基盤となるもので、一方で多彩な“食文化”を生み出し、エネルギーや資源、環境の問題とも深く結び付いている。「食」の安全性をさらに追求しつつ、ライフスタイルの変化とともに新しい価値を創造し、持続的な成長を目指して、常に技術をアップデートしていかなければならないという意味が込められている。
同展では、国際化への対応に力を入れており、世界から注目を集める日本の食文化を広く紹介する。海外各国では、日本食レストランは当たり前のように見受けられ、食のグローバル化が進むなか、国際化がカギを握っている。
年々、海外からの来場者が増加傾向にあり、今回も中国、韓国、台湾、タイ、シンガポールなどアジア諸国をはじめ、北米や中南米、ヨーロッパからの来場者が増えそうだ。日本製の高性能の食品機械への関心がとても高まっている。
こうしたグローバル化に対応するため、「グローバルスペース」が拡充されている。駐日外国大使館、外国機関・団体の協力により、最新の海外事情が発信される。
イベントステージでは、最新の輸出市場情報、投資環境などについてスピーチが行われ、セッション終了後はスピーカーとの個別面談も可能。
参加機関はアメリカ州政府協会、オランダ大使館、韓国国家食品クラスター、シンガポール政府観光局、スペイン大使館経済商務部、タイ投資委員会東京事務所、チェコ共和国、中国食品和包装機械工業協会駐日事務所、チリ大使館商務部、日印国際産業振興協会、ベカメックス(ベトナム・ビンズン省投資工業開発公社)、ポーランド共和国大使館貿易・投資促進部、香港貿易発展局、マレーシア投資開発庁など各国の重要機関で力の入れ方がわかる。
これらの国々が、「チリの食品産業」「米国市場における食品、食品加工業の動向」「ベトナムの食品産業現況と南部工業団地近況」「日系企業のタイ進出動向」などの講演を行い、日本の企業との商談に結び付けていく。
主な展示内容は、
(1)原料処理分野
(混合・攪拌・混練機、粉砕・分級・造粒機、ふるい機・網、乾燥機、殺菌装置、熱交換機、脱水機など)
(2)食品製造・加工分野
a.菓子・パン-オーブン、ミキサー、焼成機、成形機、デポジッター、ドゥコンディショナー、蒸し器、包・製餡機など
b.食肉・水産物-スライサー、カッター、チョッパー、ダイサー、テンダーライザー、ミキサー、成形機、ソーセージ・ハム充填機、ハンバーグ成形機など
c.麺類-製麺機、即席麺製造プラント、パスタ製造機、餃子・ワンタン・焼売・包子製造装置など
d.調理食品-オーブン、フライヤー、炒め機、蒸し機、焼成機、加熱攪拌機、炊飯機など
e.飲料・乳製品-飲料プラント、濾過装置、果汁飲料製造装置、搾汁機、飲料充填機、飲料滅菌装置など
f.農産物-野菜・果物洗浄機、精米機器、洗米機、カッター、スライサーなど
g.豆腐-豆腐プラント、豆乳プラント、脱臭機、フライヤー、油揚製造機など
h.発酵・醸造-蒸留装置、圧搾機、均質機、乳化装置など
(3)エンジニアリング・生産流通システム・IT・ITソリューション分野
(トレーサビリティ、RFID関連機器、EDI対応システム、工場設計・設備エンジニアリング、HACCP管理システム、計測・制御システムなど)
(4)鮮度管理・品質保持分野
(予冷・冷凍・冷却・凍結装置、解凍装置、チラー、冷蔵・保冷庫、貯蔵設備、紫外線・オゾン応用装置、殺菌・滅菌装置など)
(5)包装・充填分野
(各種包装機器、充填機、計数・計量機、結束機、シーラー、インクジェットプリンターなど)
(6)保管・搬送・移動分野
(コンテナ、コンベア、ベルト、チェーン、パレタイジングロボット、リフトなど)
(7)その他、計測・分析・検査分野、衛生対策・管理分野、環境対策・リサイクル分野、設備機器・技術・部品分野、食品調理・ソリューション分野、情報サービス・団体分野など。
同展示会では、出展企業等による展示のほか、業界の発展に有益なセミナーや研究発表などさまざまな併催プログラムが用意されている。新たなビジネスや研究開発のヒントに、最先端の情報収集に役立つ。
FOOMAビジネスフォーラムでは、株式会社パン・アキモト代表取締役の秋元義彦氏が、3年たっても焼き立てのようなふわふわの缶詰パン『救缶鳥』の開発など「海外進出、企業の社会貢献」をテーマに講演。8日17時~18時30分、定員は400人。
EHEDGセミナーでは、EHEDG前会長のKnuth Lorenzen氏が「機械の衛生設計:評価試験とその認証」をテーマに講演。8日10時30分~12時30分、定員は300人。
日本食品工学会フォーラム2016では、「味と香りの感じ方を制御した加工食品を創る -組織・構造、物性を設計する」をテーマに各社が講演。7日10時25分~16時40分、定員は300人。
AIB FOOMA特別講演会は、科学ライターの松永和紀氏が「メーカーが発信すべき食の安全と健康 ~消費者とのコミュニケーションをどう構築するか!~」をテーマに講演。8日14時~15時30分、定員は300人。
美味技術学会シンポジウムは、「美味と安心を保証する食の新技術」がテーマ。9日10時50分~15時50分、定員は300人。
農業食料工学会シンポジウムフードテクノロジー(フーテック)フォーラムは、「高齢化社会を支えるフードテクノロジー」がテーマ。10日13時~16時40分、定員は300人。
農業施設学会シンポジウムは、「食品製造における衛生管理」がテーマ。7日 13時~16時40分、定員は120人。
日本食品機械工業会コーナーでは、同会の活動、沿革などの紹介や、同会が出版する書籍の販売を行う。また、同会が取り組む安全・衛生事業の紹介のほか、EHEDGコーナーも併設し、EHEDGの紹介や質問、相談に応じる。
また、特別企画として、「食品製造現場の安全・衛生の確保」をテーマに、法令が求める安全・衛生を実現するために、食品機械メーカーとユーザーが協力して取り組み活動をわかりやすく紹介する。
「改正労働安全衛生規則に対応する安全設計」では、2013年10月に食品加工用機械についての規定を追加した改正「労働安全衛生規則」が施行されたが、より安全・安心に食品製造を行ってもらうために、この法令についての解説、食品加工機械に施す安全設計のポイント、安全設計された機器・設備の事例などを紹介する。
「厚労省対応、安全教育と資格制度」では、厚生労働省が2014年に公表した「機械の安全化促進」を目的とする、設計者・使用者に対する「安全教育要領」、および「安全の知識を証明する資格」について、解説ムービーを織り交ぜて、最先端を行く日食工のこれらへの取り組みを紹介する。
■開催にあたって
FOOMA JAPAN 2016 展示会実行委員会 櫻澤誠委員長
実力と真価 存分に発揮
FOOMA JAPANは、食品製造プロセスのあらゆる分野を網羅したアジア最大級の「食の技術」の総合トレードショーとして着実に成長発展してまいりました。例年10万人規模の安定した来場者を数え、また、近年、海外からの来場者も増加傾向にあるなど、国内外から高い注目を集める展示会です。
39回目となる今回は、出展社数が683社となり、総展示面積が2万8492平方メートルとなりました。FOOMA JAPANは、特定の分野に集中することなく、「食」に関わるすべての分野を網羅した他に類を見ない食品機械の総合展示会です。FOOMA JAPANは、新製品・新技術の発表の場として、高い期待を多くの関係者からお寄せいただいており、出展社の皆様には、今回も日本の食品機械の実力と真価を存分に発揮していただきたいと考えています。
日本の経済動向が見通しにくい状況ですが、こういう時こそ次なるチャンスも生まれてまいります。食品ビジネスの成長や発展をお考え、お取り組みいただくには、豊富な設備、機械と情報が揃ったFOOMA JAPANをぜひお役立ていただきたいと存じます。皆様の積極的なお取り組みに、主催者・出展社一同、心よりお応えすべく努力させていただきます。
FOOMA JAPAN2016のテーマは、「おいしい技術をアップデート。」です。「食」の基盤である安全・安心技術をはじめ、生産性向上や高効率化・高品質化・高機能化のための最先端テクノロジーなど、常に最前線の製品・技術・サービスをアップデートしていただきたいという願いが込められています。
またFOOMA JAPAN2016では、食品ビジネスに携わる方々の情報収集や技術交流の場として、出展社プレゼンテーションセミナーをはじめ豊富なテーマによるセミナーを設けています。FOOMA JAPANならではの機会をお役立ていただき、食品関連業界の皆様方にとってビジネスに有益な情報を会得していただきたいと思います。