東朋テクノロジー(名古屋市中区、富田英之取締役社長)は、PIcoCELA(福岡県糸島市、古川浩代表取締役)と共同で、電波障害物などがあっても切れない無線「WIreless Backhaul」を開発した。無線通信が速くて途切れないため、「無線IoT」として「止まらない工場」などの実現に役立つ。
従来のメッシュ無線中継技術は、電波が障害物で途切れることや、電波の渋滞で遅れることがあり、送れるデータ量も少なかった。
「WIreless Backhaul」では、中継がメッシュ状ではなく、ツリー状で無線経路の制御が単純になっており、中継に使うチャネルは特定でき、周波数効率が良い。
無線中継技術により、障害物があっても通信が途切れず、何段中継しても通信遅延が少なくて済む。
結果として、通信速度が遅くならず、大量のデータを送れる。さらにケーブルの敷設も少なく低コストになる。
また、AP(アクセスポイント)の1台が故障しても、他のAPが中継によって通信エリアを補い、通信が途切れるのを防ぐことができる。
今回開発したAP端末は、4本の送受信用アンテナを装備、1本のアンテナの場合より、送受信が速くなり、切れることがない。
機械設備などが止まらない工場の実現、工場内のモーター、プレス機械などの振動を監視して異常を検知する「高速センサネットワークシステム」などに応用していく。