■209社増え今年は1080社
医薬・化粧品業界世界有数の専門技術展「第29回インターフェックスジャパン(医薬品・化粧品・洗剤研究開発・製造技術国際展)」(主催=リードエグジビションジャパン)が、6月29日~7月1日の3日間、東京ビッグサイトで開催される。
同展は、医薬・化粧品・洗剤を製造・研究開発するためのあらゆる機器・システム・技術が一堂に出展する業界有数の展示会。毎年、国内外から医薬品・化粧品・化学・洗剤メーカー関係者が多数来場。同時開催として「第10回In-PHAMA JAPAN-医薬品原料国際展-」、「第1回DrInk JAPAN(飲料・液状食品「開発」「製造」展)」も開催される。規模も拡大し、前回比209社増の1080社が出展、来場者数も4万5000人を予定している。
医薬・化粧品製造装置もグローバル化が進展し、日本も2014年7月にPIC/S(※)に加盟。生産技術や工場設備のグローバルスタンダード化が進んでいる。半導体製造装置や、電機・電子デバイス製造装置では日本メーカーは圧倒的なシェアを誇るが、医薬・化粧品製造装置においては各国の規制などに適合するためのハードルが高く、高い技術を持っている割には海外市場の開拓が進んでいないという現状があった。同展示会は海外からの来場も多く見込まれており、製造装置メーカーにとっては、ワールドワイドに自社の技術をPRする絶好の機会となる。
■製造ラインや大型実機も
通常、医薬・化粧品の製造ラインはクリーンルームやそれに準ずる場合が多く、製造製品の安全性を担保する必要性もあり、製造現場への立ち入りはかなり制限されている場合が多く、医薬品・化粧品製造設備が動いているところを見ることは容易ではない。そのため、上流から下流まで、各工程の製造装置が一堂に集まり、デモンストレーションを含めて見ることができる同展示会は業界関係者にとって非常に貴重な機会となっている。
実際に「錠剤インクジェットマーキング装置」「ケミカルハザード対策型エンクロージャー」「連続造粒システム」「高速PTP(press through pack)包装ライン」「環境対応型ブリスター包装機」「間欠モーションカートナー」「高速回転式錠剤機」など最新技術を詰め込んだ装置が実機を交えて紹介される予定だ。
■効率化へ注目のロボ、最新システム
同展示会では生産効率化を目的とした「自動化」「省力化」を実現するロボットや最新システムが多数出展。OECD会議で安倍首相は、アベノミクスの第三の矢「成長戦略」の柱の一つとして、「ロボットによる産業革命」を打ち出し、これを受けて2014年6月24日に公表された「日本再興戦略」改訂版では、ロボット技術をイノベーションの象徴の一つと捉え、製造業、医療、介護、農業、交通などのさまざまな産業に変革を起こすことがうたわれている。さらに、2020年までにロボット市場を製造分野で現在の2倍に拡大するという定量目標まで掲げられるなど、日本の最先端テクノロジーを駆使したロボット技術やサービスに高い注目が集まっている。
日本に限らず労働力不足が社会問題化している中、三品(食品・薬品・化粧品)の中でも薬品・化粧品は食品と比べ付加価値率が高く、自動化による投資回収は比較的しやすいと見られており、導入側・供給側両方にとって非常に高い注目を集めそうだ。同展示会にもファナック、安川電機、デンソーウェーブ、川崎重工業など大手産業用ロボットメーカーが出展。作業者と共存できる協働ロボットや、多軸双腕ロボット、熟練作業者の動きを再現するロボット、オールステンレス構造のロボットなどが紹介される。
展示だけではなく、基調講演やセミナーも多数開催される。基調講演では「日本製薬産業 成長のカギは?熱き挑戦者たちであれ~小野薬品の創薬イノベーション~」と題し、小野薬品工業、相良暁代表取締役社長と、「グローバルな開発環境の変化を踏まえた革新的新薬開発を応援する」と題した厚生労働省、森和彦大臣官房審議官(医薬担当)が予定されている。テーマ別セミナーでは「連続生産の最新動向~製造技術の新潮流~」「バイオ医薬製造技術における挑戦と発展」など多くのセミナーが開催される。
■「DrInk展」初登場
今回は「第1回DrInk JAPAN(飲料・液状食品「開発」「製造」展)」も同時開催される。日本唯一の飲料・液状食品の開発・製造展で、「原料・添加物」「製造設備」「包装機械/資材」「物流/ITシステム」などのサプライヤーや、「受託/OEM」企業が一堂に出展、全国から多数の飲料・食品メーカーが来場し、商談や技術相談が行われる。初回から150社が出展予定で、飲料技術セミナー計40講演を連日開催し、国際的な生産・技術・規制情報を発信、インターフェックスジャパン(医薬・化粧品専門技術展)と同時開催により、出展社・来場者が、関連分野の広範囲な情報を収集できる。開催にあたり、来場対象となる飲料・食品メーカーからは「飲料業界の展示会が海外にしかなかったため、日本でぜひ開催してほしい」「飲料技術の専門展ができたら、部署内の関係者みんなで来場したい」「飲料に特化した専門展にぜひ来場したい。生産ライン全体を見ているため、良い技術はすぐに専門部署に紹介したい」という期待にこもった要望が多数寄せられたという。
また、「第10回In-PHAMA JAPAN-医薬品原料国際展-」は医薬品原料のサプライヤーが一堂に出展する商談展。国内外の医薬品メーカーが多数来場し、「原料選定」「委受託」に関する商談が活発に行われる。
※PIC/S
Pharmaceutical Inspection Convention and Pharmaceutical Inspection Co-operation Scheme(医薬品査察協定および医薬品査察共同スキーム)、医薬品分野でのGMP基準および査察当局の品質システムの国際的な開発・実施・保守を目的とした査察当局間の非公式な協力の枠組み。