三菱電機が、工場内のIoT活用を広く推進するため、米国を中心に進められているインダストリアル・インターネット・コンソーシアム(IIC)に、日立製作所とインテルと共同で提案していたテストベッドが承認。2017年6月までの1年間、製造現場(FA)と情報システム(IT)をシームレスに統合するオープンなFA-IT連携プラットフォームを検証していく。
テストベッドでは、三菱が従来進めてきたFA統合ソリューション「e-F@ctory」のIoT対応を強化すべく、製造現場のデータを現場で分析・1次処理するFAエッジデバイス・アプリケーションの開発と、シーケンサ・駆動装置などのFA関連製品を担当。また、日立とIIC幹事会社であるインテルはIoTゲートウェイやクラウドなどのIT関連製品を担当する。
これらの製品を接続したFA-IT連携プラットフォームのセキュアな通信と業務データの流れを今後検証しながら、FA-IT連携プラットフォームをIIC会員企業やユーザーに提供し、アプリケーション開発の容易性を検証する。
同社はこれらの活動通じて検証するプラットフォーム技術に加え、膨大な現場データから目的データを効率的に収集する仕組みを、日立などさまざまな企業と共同で検討していくとともに、それらの技術を各業界団体・標準化団体などにも広く提案し、e-F@ctoryアライアンスパートナーとのソリューションを共創していく方針。
グローバルな競争が激化する中、製造業では、急速に変化する市場環境に迅速に対応するため、新技術の導入・企業間連携などによるタイムリーな製品開発や市場投入に加え、品質・納期・生産性の向上が求められている。また、IoTを活用して製造現場と経営中枢を結ぶことで、サプライチェーンのグローバル化に対応した経営の最適化を実現するシステム構築への期待が高まっている。
米国のIICに対し、ドイツを中心にインダストリー4.0で製造業の新しいコンセプトも提案され、IICとの連携も進められている。