パナソニックソリューションテクノロジーはこのほど、「生産現場向け業務改善ソリューション」をプラスチック射出成形品取出ロボットの世界的メーカーであるユーシン精機に納入したと発表した。これまで難しいといわれてきた個別受注生産品の検査業務のデジタル化や、ビジネスインテリジェンス(BI)ツールを使った組み立て・検査・出荷状況の見える化などを実現している。
ユーシン精機のICT革新は、まずは検査工程から小さくスタート。一気にデジタル化を推し進めるのではなく、検査員に対する操作方法のきめ細かいレクチャーや、製造の工程におけるアナログ(紙)データの継続など、モノづくりの現場で働く人の“気持ち”に配慮した段階的な取り組みを重視した。
それに対し同社は、タブレットで検査情報の入力・リアルタイム共有可能な「帳票電子化ツール」と、組み立て・検査・出荷状況をグラフィカルな図・グラフに変換する「BIツール」を導入。
帳票電子化ツールは、Excelの帳票をそのまま流用することでExcelと同じ感覚で入力でき、いつでも検査員の気づきをタブレットから記録し、検索・共有することができるようになった。また電子帳票ならではの検査飛ばしを防止する仕組みにより検査品質の向上も実現している。
BIツールは、組み立て予定や出荷台数をグラフ形式に変換。ビジュアル化によって、データが示す意味をすぐに理解できるようになった。さらに、グラフを見ながら製造・検査・物流現場間で対応策を協議。これにより改善に向けたすばやいアクションを可能にした。